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序章 「二度とくんなバカどもが!」 まだ薄暗い朝の静かな空気を壊すような罵声が響いた。 とある民家の軒先から蹴り出された二匹のピンクのカタマリ。それはおなじみタブンネ。 この夫婦は昨日の深夜にこの民家の庭で栽培されている木の実を盗んでいたところを家主に捕縛。 数回行っていたのだが昨晩ついに運は尽きてしまい、一晩中仕置きを受け解放されたところだ。 ♀ンネは人間と目を合わせないよう必死に♂ンネを支えながら遠ざかっていった。 虐待、、、いや仕置き時の様子は割愛するが、二匹の被害はこうだ。 ♀ンネ、呼称ママンネ、またはママとする 口内全火傷、両触角切除、手足ツメ全抜、尾切除、乳腺焼き。 ♂ンネ、呼称パパンネ、パパ 尾、両耳両触角切除、両手は粉砕骨折、右目潰し、鼻潰し、歯+舌抜き、顎砕き、両足複雑骨折、おまけに顔の毛を全て刈り。 二匹とも殴られた顔は腫れ上がり、変形していると言えるくらいである。 ママはまだしもパパが生きているのは無駄な生命力の強さか。 苦悶の表情を浮かべつつ、二匹はまだ風が冷たい道を歩き続けた。最悪にも二匹は再生力も癒しの波動も持ち合わせていなかったのだ。 巣は民家から近くの林地にある小さな洞。近づくにつれママの瞳が涙が溢れだした。 地獄から生還し、愛する我が子達と再会できる。 まだまだやんちゃな息子チビンネ、色々なことに興味を示しだした娘チビンネ、そして乳児ベビンネ 皆大切な家族。 「ーーッ---ァー」 パパンネも残された目から涙をながし、顎を砕かれたことで閉まりがきかなくなかった口から大量の涎を滴ながら腕を巣に向けた。 舌も奪われ言葉を発することもできない姿は子供達にどううつるか? ママンネも歯を食いしばり、普段は何ともない落ち葉や草の擦れる痛みを堪え必死に歩みを進める。 生物の部位は無駄などない。つまりはそれが一つでも崩れれば身体に思わぬ影響を及ぼす。 ママンネは下半身だけでも、バランスのための尾、ツメがなく、腹部の火傷痕は確実に体の負担を倍加させる。 それでも 数時間放置してしまった我が家に向かう為必死に力をふりしぼる。 人間に捕まってる間一瞬たりとも忘れず、地獄のような拷問に耐えたのは愛する我が子達のため。 二匹は穴を塞ぐ枯れ枝をよかし入り口を跨ぎ… そしてママは巣の様相に絶句した。 子供達は寝静まってから出て、時間的にまだ寝ているものだと思っていたが、想像を上回る結果であった。 貯蓄食料のうち菓子にあたるものは全て無くなり、傍らで膨れた腹で寝息を立てる息子ンネ。 草のベビベッドにベビンネはなく、辺りには下痢便がたくさん撒き散らされていた。 「ベビぢゃん!?」 思わず叫んだママに反応してか、奥のチビ部屋から声が 「どこいってたミィのママー!ベビちゃんうごかなくなっ!?ミキャアアアア!!」 娘ンネが絶叫したのも無理はないだろう、両親はパッと見ればバケモノだ。 娘ンネは手にしていた瓶を落とすと、わずかな白い液体が地に染みていった。 「そればっ!?リユウッはあどミィ!ベビぃぢゃんん゛」 口内の火傷から発音がまともではないが、娘には伝わったようで急いで連れてこられたベビにママはさらに絶句した。 糞まみれの下半身と口と鼻から溢れる白い液は上半身をぐっしょり濡らしていた。 尻も真っ赤に腫れ上がり、必死に拭いたのだろう新聞紙の千切れカスがたくさん付着していた。 「ママ達がべっでごなくて゛ぇ…ベビがウンチしたがら拭ぃでぇもぉなぎやまなぐでミィ…お腹空いたとおもっでぇ…これのまぜだミィ…」 「がじえ!ミィ!ゲビギャ!べをばげでベギちゃ!」 泣きじゃくる娘からベビをひったくり、必死に吐かせようとするが首が前後にカクカクするだけだ。 手足の痛みを堪え必死にベビを抱き、さらに口内の痛みと戦いながら必死に鼻や口をなめるママ 先ほどの白い液体といい、この味は ミルク だと気づく。 娘が手にしていたのはミルクビン。間違いなくあれは四日前にパパが狩って(盗んで)きたミルクだ。 ママは以前に冷たいまま飲み腹を下した経験があり、飲み方模索中と閉まったまま放置していたのだ。 娘ンネはこれを見つけ、ベビに与えた結果はこれだ。 四日前の腐った冷たいミルクにベビは下痢嘔吐、さらに人間用に調整されたミルクは基本野性動物には害。 温める以前の問題ではない。 「ならおっばいのんげミィー!どうじでおっばいででぐぜだいミィーッッ!!」 昨日までは押せば母乳が滴るくらい張っていた乳だが、いくら押しても摘まんでも一滴たりともでない。 間もなくベビは下痢嘔吐による激しい脱水症状と体温低下、おまけに呼吸困難と乳児地獄フルコースで死亡した。 「ゲビヂャアアアアア!」 「ェゥー ァィー」 夫妻は再び涙を流した。 「ミェェン!!ベビちゃああああん!ごめんなさミィィィッ!」 「なんの騒ぎミィ?」 騒ぎに目を覚ました息子ンネだが状況が飲み込めずしばし唖然としていた。 太陽がてっぺんにくる時間。人間で言う正午。 一家の巣は普段なら昼食時の賑やかさを見せているはずだが今日は嘘のように静かだった。 巣の入り口近くに盛られた土とその傍らで顔を隠して座り込んでいる息子の姿。 巣の中ではベッドに横たわり苦しそうに呼吸するパパ。横で水に浸したボロ布をしぼってはパパの額にのせるを繰り返す娘。 痛みに耐えきれず、力む度に傷口からしみでる血液を拭こうにも触るだけで苦悶を浮かべる姿に、幼い娘にはどうしていいかわかるはずけもない。 これらをやった人間は止血など医療技術などは持ち合わせておらず、爛れた面はやきごてによる止血だった。 娘も「ベビを死なせたのはミィ」と自責にかられ、せめてもかパパの看病をするができることなどたかが知れている。 癒しの波動すら使えないチビンネのすることなどママゴトでしかないのだから。 ママは貯蓄食料を前に体と頭両方を痛めていた。 菓子が根こそぎ息子に食い尽くされ、今あるのは残飯レベルの野菜クズや腐敗しかけた木の実。 結局ママは息子を叱ることはできなかった。 物を掴む度に激痛の走る指、歩く度に激痛の走る指。腹部火傷痕の激しい痒み。 くせのように耳の下に手を当てるもそこにあるはずの触角は無い。 溢れだした涙を拭い視線を送った先には小刻みに震え苦悶を浮かべる夫。 涙を流している場合ではない。死んでしまったベビのぶんまで二人の子供を幸せにしなければならない。 夫よりまだはるかにマシな自分が一家を背負わなければならない現実。 狩りをする♂がこんなになってしまったからには野生に生きる者とすれば正直荷物、枷にしかならない。 そんな考えを振り払うようママは使われなくなったベビベットを見つめ静かに呟いた。 「パパとみんなはミィが守るミィ。ベビちゃんみんなを見守っててミィ」 ママは立ち上がり巣の入り口を跨いだ。自分が頑張る、、、と 厳しい自然界の掟はなにもこのママンネにだけ適応されるものではない。 今を生きるすべてのタブンネに共通したことであり、何もこの一家だけが特別でも悲惨なわけでもないのだから。 あれから3日が過ぎた。 一家は朝食をとっているところだが、やはり以前のような賑わいは無かった。 マット代わりの段ボールに並ぶのは萎れて黒ずんだ木の実をちぎったものや、よくわからない穴の空いた葉と黄色くなった野菜クズ。 それを一切文句を言わず無言で食う兄と妹。 以前は今と比べ物にならないくらい豪華な食事だった。 盗品の綺麗な木の実、盗品の砂糖たっぷりの菓子、まだ新鮮な生ゴミの野菜クズとタブンネからすればご馳走をほぼ毎日食べていた。 それだけパパの狩り、いや窃盗技能は高かった。 絶好の狩り場であったあの民家で今まで発見されなかったのは少量であったためで、ここ連日食べ盛りの子の為に大量に窃盗したことが原因。 さらに荷物持ちにママを連れていったこともだ。 菓子は木の実にたかる小さな害虫をとってくれる鳥ポケモン達に家主が用意してあるものを強奪した。 生ゴミは少し離れた集落のゴミ捨て場からだ。 そんな偉大な父は今や寝たきり状態。奥の寝室では寝たきりのパパにママが食事を与えていたところだ。 顎を砕かれ歯を抜かれ咀嚼できない不自由なパパのためにママが用意するのは、実や野菜を細かくし水でふやかしたオジヤのようなもの。 それを手で少しずつ口に流し込んでの繰り返し。最初は舌の傷に当たったり、むせさせてしまったが。 言葉や意思疏通が不自由でも夫婦は互いに協力し、痛みを堪えながらなんとか食事できるまでとなったのだ。 介護される情けなさから涙を流すパパの目尻を、手の甲でぬぐう笑顔のママ。 栄養不足からか一家は痩せだし、さらに傷の治りも悪くなる一方で、パパの切断面の傷は少し臭気を放ち出してきた。もちろん骨もよくなるはずもない。 ママもまともに治療せず指を酷使したからか爪の付け根が紫に変色し、再生する気配を見せない。 腹の傷を掻くツメが無いのは幸運なのかはわからないが、葉で擦るように掻いたからかすっかり毛は禿げ上がっていた。 傷だらけの腹部を晒すことに羞恥なんてしている場合ではない。 こうして大きく変わった食事風景だが、一家の確かな絆がそこにあった。 振り返ったママの視界にあったベビベッドに供えられた小さな実の欠片が揺れた気がした。 「ベビちゃんもおいしいミィ?」 介護や子達の食事が終わるとママは自身の食事だ。 しかしそれらは実や野菜の芯、そして油や調味料が染みたティッシュというゴミ同然の品。 決して足りるわけではないが、ママは現地調達できることから何とか保てている。 ママが食事してる間に後片付けをするのは息子で、娘はパパの排泄物の始末。 糞を葉で包み、運んできた土に尿を吸わせてボロ布で臀部を拭く。誰もやりたくないようなことでも、娘はベビに対する自責から文句ひとつ言わず行っている。 片付けを終えた息子は、ゴミから出たゴミを捨て、離れすぎないよう近場から手頃な葉を集めてくるのが二つ目の仕事。 ママは子それぞれが仕事を済ませせたのを確認すると今日の狩りに出掛ける。 初めはついていこうとする兄妹だったが、今は「おうちとパパを守る」為の留守番を理解し、ママも安心して出れる。 朝のこの時間は人がゴミを捨て、回収車が来るまでの時間に獲物を狩らねばならない。 痛みも引き、ようやくバランスもとれだしたママは今日もゴミ捨て場に向かう。 貯蓄食料はとっくに腹の中どころか、糞として排泄済み。今日の糧は今日得るしかない。 行きたくは無かったが、生活の為と向かったあの散々窃盗していた民家はあの日以来電磁柵が設置されていた。 実際に掌に火傷を負い理解したことだ。 届かなくなったからこそ目の前の宝の山がとても輝いて見える。 しかし近づけないもどかしさに合わせ呼び起こされるあの夜の狂行。 ママは涙を堪え木の実に背を向けるとゴミ捨て場に歩みを進めた。 こうして一家はそれぞれの出来ることをしながら、ベビ以外すべてが元通りになることを信じ今日を生きる。 もう一度言うが、この一家だけ特別なわけではない。あくまでも多数にあるタブンネ一家のうちの一つでしかないのだから。 序章終わり
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注 等は, Bのfrakturを表す. §1 位相空間 p 位置 誤 正 2 23行目 ...および を... ...および を... §2 ベクトル空間 §3 n次元数空間RnとCr級関数 §4 逆関数の定理
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不幸の星・序章 ◆KS.UfY2NoY 「んん……」 夢を見ていた。 お姉ちゃんと私が家に二人でいる。 何もすることないねって言いながら、テレビを見ているんだ。 そして、こなちゃんがそこに遊びに来るの。ゆきちゃんと一緒に。 新しいゲームを買ったから皆に見せたかったんだ、ってこなちゃんは言って。 先生には勉強しなさいって言われたから、って。 お姉ちゃんは何でここでやるのよ、私も勉強しなきゃいけないんだけど、なんて言ってるけど楽しそうで。 ゆきちゃんもかがみさんとつかささんの家に来るのは久し振りですね、って笑ってて。 私はこなちゃんがゲームをするのを見て、どうやったら上手くキャラクターを動かせるのか分からなくって、ただびっくりしてた。 楽しかった。 すっごく、楽しかった。 よくある、ごくありふれた毎日の光景だった。 当たり前の日常だけど、すごく楽しかったんだ――― 「……んえ?」 だから、目が覚めた時、私にはよく分からなかった。 「なに、これ……?」 そこは、全然知らない場所だった。 変な部屋……部屋?壁がないのに? よく見れば、床もない。全てが白でできた場所。 でも私は下に落ちていかない。……どうなってるの? まるで、魔法の世界見たい。 ぞくり、と寒気が走る。 「……ここ、どこ?」 お姉ちゃん。お姉ちゃんはどこ?私……私は…… お姉ちゃんを探して、視線をさまよわせた時。 「皆、起きなよ」 そしてパン、と軽い音がして。 私は、顔を上げた。 そこには、お姉ちゃんがいた。こなちゃんも、みゆきちゃんも。 そして、漫画の中にいるみたいな変な格好の人も沢山。 小さな、……お人形? 間違いなく外国の人だろうなあ、って人や少し昔の格好をした男の人、刑事さんみたいな人も、私たちと同じような学生もいる。 ……どういう、こと? 「やあ、お目覚めかな」 そして、その声は私の背後から聞こえた。 ねっとりとした、でも、全然悪意の感じられない声。 びくりとして振り返ると、私から少し離れたところに、小さな男の子(だよね?)が立っていた。 男の子の後ろには、暗い顔をした男の人が何人も立っている。 男の子は、何もない空間に座っているみたいだった。 「いきなりで悪いんだけど、皆、これから僕の説明をちゃんと聞いてよね」 白い髪の不思議な格好をした男の子は―――口を開いた。 「―――今から、皆に殺し合いをしてもらいたいんだ」 「……えっ?」 聞き間違いかな? 殺し合い?そう聞こえたんだけど。 意味が分からなくて視線をそらすと、お姉ちゃんの姿が見えた。お姉ちゃんもぽかんと口を開けて固まっていた。 お姉ちゃん、と声をかけたかったけど―――すごく言いづらい。 「っ……殺し合いだと!? どういうつもりだV.V.! あの男の指示か!?」 すらりとしたかっこいい外国人の男の子が勢い良く立ち上がって叫ぶ。この子の知り合いみたい。 ……ぶい、つう?どんな漢字?英語名かもしれない。 名前だとしたら、変な名前。 「まあ落ち着いてよ、マリアンヌの息子。今はそんなことどうでもいいじゃない」 「いい訳があるか! あいつは……シャルルは……」 険しい顔でぶいつう君を睨みつける男の子。だけどぶいつう君はそれに何も答えなくて――― がちゃり。 男の子に、一世に銃が向けられる。 私の視界に、真っ黒くて細長い影が映った。 え、あれって……ほんもの? まさか、そんなはずないよね? だって日本じゃ、銃なんて持ち歩いちゃいけないから……。 「ふん、V.V.、愚かだな。俺に銃が聞くとでも?」 そんな状況でも、男の子は、全然怖がっていなかった。 ちょっぴり怖い顔で笑って、男の子は右手を瞳の高さまで持ち上げてーーー 「舐められたものだ―――いいだろう、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる! お前たちは死ね!」 銃を持った男の人たちに対して、そう言った。 そして―――何も起こらない。 男の子が言った言葉に、ぶいつう君も他の誰も動かない。 しん、という静寂が墜ちる。 ぶいつう君は、楽しそうににやにやと笑う。 「……な、何故だ!? 俺は確かに……」 本気で驚いているみたいだ。……何があったんだろう? 「やめろルルーシュ。 大人しくしておけ」 「だがっ……っ、」 すごくセクシーな格好をした女の人に止められて、男の子(るるー、しゅ?かな)は悔しそうにその場に座る。 何だったんだろう、今の。 「……うん、邪魔が入ってごめんね。 じゃあ今からルールを説明するよ」 そう言って白髪の男の子は、もう一度話し始める。 「さっきも言ったけど、皆には殺し合ってもらいたいんだ。 ……もちろん、ただとは言わないよ。 優勝して最後に残った一人だけは元の世界に返してあげる。 んーそうだね、何か願いも叶えてあげるよ」 そして、皆の顔を見る。私はびくりとする。 こんな子どもなのに―――この子はどうして、殺し合ってほしいなんてことが言えるんだろう。 私なら、そんなこと怖くて口にも出せないよ。 他の人たちもざわざわ文句を言ったりしているけれど、それを無視してぶいつう君は続ける。 「あとはルールだけど……首輪がついているのには気付いた?」 そう言われて初めて私ははっとする。確かに首元が変な感じ。 触ってみると、金属の感触がした。本当だ、首輪だ。 こういうのに気付かないからお姉ちゃんみたいにしっかり者になれないんだよね。 「これはね、君たちを縛る枷さ。もし途中で逃げようとしたり、誰も殺さなかったり、行っちゃいけない場所に行ったりしたら、それ爆発しちゃうから」 ば……くはつ、って。 そんなの―――テレビの映像でしか見たことない。 こんなどこにでもありそうな首輪が爆発?うーん……信じられないよ。 「信じられない人もいそうだから、特別に見本を見せてあげるよ」 ぶいつう君がそう言うのを待っていたかのように、謎の空間の奥から別の男の人が現れた。そして、その男の人に肩を抑えつけられているのは――― 「ゆたか、ちゃん……?」 小早川ゆたか。 こなちゃんの従妹で、ちょっと病弱で、でもすごく優しくて可愛い女の子。 ゆたかちゃんはぐったりとしていて、今にも倒れそうだった。 「ゆたか!?」 「ゆーちゃん!?」 みなみちゃん、こなちゃんの声が聞こえた。私は、何も言えずに呆然とする。 何で、ゆたかちゃんがあそこに? ゆたかちゃんは、どうなるの? 「爆弾が、本物ってことをね」 そして、カチっと時計みたいな音がして――― ぼん、という聞いたこともない音と一緒に、 「……え?」 ゆたかちゃんの首は、胴体から引き離された。 ……え? ゆたかちゃんは眠ったまんまの顔で―――床に転がり墜ちた。 私の、すぐ横に。 しん、とその場が鎮まった。 「……ひっ、」 赤い血液が、私のところまで流れてくる。い、いや、いや、あああああああ! 走馬灯みたいに、ゆたかちゃんの笑顔がぐるぐると浮かんできて――― 「ゆたかああああああ!」 「いやあああああああああ!」 遅れて上がる悲鳴。でも私は、頭が真っ白だった。 お姉ちゃんが私の名前を呼んだ気がする。でも、分からない。 「分かったよね? 爆発が本当だって。 あ、取ろうとしても爆発するよ」 本当、なんだ。 私はガクガク震え出す。 これは本当に爆弾なんだ。夢なんかじゃないんだ。 ここは本当に、殺し合いなんだ―――!! お姉ちゃん、お姉ちゃん、どこ? さっきまでいた姉の姿が、視界が曇ってよく見えない。 眩暈が、した。 「まあ頑張ってよ。 皆の武器は回収してバラバラに配ったから、弱い一般人でも死ななくて済むかもね」 ぶいつう君の声も、聞こえない。 私は、ただ。 この事態に、底知れぬ恐怖を感じることしか、できなかった。 肩が震える。服にゆたかちゃんの血がにじむ。いや。見たくない。怖い。 「死者は六時間ごとに放送で発表するよ。 楽しみにしててね」 何で。 何で。 何で、こんな――― こんな、ことに。 「じゃあ、……バトルロワイアル、ってとこかな……始めるよ?」 私は、ただ。 皆と楽しい毎日を過ごしたかっただけなのに! どうして、どうして、どうして……!! 助けて、お姉ちゃん、こなちゃん、ゆきちゃん――― 私はそう考えながら―――意識を失った。 【小早川ゆたか@らき☆すた 死亡】 【残り65人】 時系列順で読む Next かえして!ニチジョウセイカツ 投下順で読む Next かえして!ニチジョウセイカツ GAME START V.V. 079 第一回放送 柊つかさ 010 反逆 する 者たち ルルーシュ・ランペルージ C.C. 035 ウィッチ×ブレイド 小早川ゆたか GAME OVER
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ああああ -- (F) 2007-04-16 18 39 34 ああああああああああ -- (F) 2007-04-16 18 39 39 あsだだsd -- (F) 2007-04-16 18 40 24
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現在らすさんが考察枠を取れない状況が続いているので環境リセットも兼ねて記事を削除しました。
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この世は常に怪異に脅かされている……そう言ったのは彼だっただろうか。私たちの生活は常に、100余名にも満たない『彼ら』に守られていることを、どれだけの人が知っているのだろうか。少なくとも私は、あの時彼に会わなければ、そんなことを知る由もなく普段通りの生活を送っていたのだろう。 私が能力者高校に来たのはある夏の日だった。その日はとても蒸し暑く、何となく、何かが起きそうな日でもあった。転入生である私は、先生に言われるがままに広い広い校舎の探索をしていた。1500余年の歴史あるこの高校は、ドイツの古城を改築した校舎、13階建ての学生寮、旧校舎、陸海空に対応した演習場、各種の格納庫にエアポートまで完備したとんでもないマンモス校だ。広く古い回廊にも似た校舎の廊下をあてどもなく歩く私は、ふと校庭に目を向けてその歩みを止めた。校庭に描かれていたのは何かの魔法陣、なぜか不穏な気配を発するそれにゾクリと背筋に悪寒が走る。そんな予感を的中させるように、空からは轟く様な雷鳴が降ってきていた。 校庭に描かれた大きな魔法陣はある人を蘇生させる為のものだったのだという。流石天下に名だたる能力者高校、なんでもありなのだ、ここは。転入生らしくらしく野次馬根性を発揮し階下に降り、校庭へと急ぐ私を誰かが追い越して行った。スーツ姿のその細い背中に何となく、本当に何となく目を止めた。ふわりと蛍光灯の光を孕んで揺れた白銀色の髪が何故かひどく印象に残った。 勝手ながら私に細く儚い印象を持たれたその人は、先の魔法陣によって発生した次元の歪みを浄化するのだと言って、地面に小さな魔方陣を書き始めた。銀色の、恐らくは水銀であろう細い液体を垂らし、繊細で綺麗な線を書いて行く。くるりくるりと、幾重にも重なる線、精緻な紋様、次第に出来上がってく美しい魔方陣に思わず目を奪われる。そうしていって完成した魔方陣と先ほどまで死者召喚が行われていたという砂で描かれた大きな魔法陣を繋げる。途端周りの空気が湿ったものに変わり、ぽつり、ぽつりと雨が降り出した。雨はだんだんとその足を速めていき、ついには本降りへと変化していった。そんな雨を物ともせず、スーツが濡れるのも厭わずに、その人は魔法陣の上に宝石をちりばめる。高価で美しいそれらを無造作に、しかし作為的に置いていく彼の姿を見て、感嘆の声を漏らした私にその人はふ、と綺麗に微笑んで口を開いた。 「欲しいなら後でいくらでもあげますよ」 そんなに物欲しそうな顔をして見ていたのだろうか、それとも思わず声に出してしまっていたのだろうか、間違いなく私に向けられて言われたその言葉に私の顔は羞恥でかっと熱くなる。同時に、そう軽口をたたいてくる彼に一層の興味を持った。意外と見たままの性格ではないのかもしれない、そう思った。そして余談ではあるが、すぐにいりません、と言えなかった自分が何となく嫌になった。まあ、あげる、といわれたのは綺麗な宝石だ……いらないかと聞かれれば欲しい。そりゃもう欲しい。だって宝石だ。だがこの話はここでは置いておこう。 宝石を恐らく定石通りにちりばめ終えた彼はそっと魔法陣から退く。 「では始めます」 静かに、しかし厳かにそう言って彼は陣の真ん中に手をつく。 「Anfang!」 刹那、美しい銀の明かりが空に立ち昇り、その後辺りを包む嫌な気配が霧散したように感じた。 降り頻る雨の中、中空へと聳えた光の塔に私はふたたび目を奪われた。 「綺麗……」 無意識にそうつぶやいていた私に彼が微笑んだ。どこか幼くも儚くもみえるその笑顔に、本当に綺麗な人だなとそう思った。ほうっと見惚れる暇があればこそ、柔和な笑みを浮かべたその人が言葉を紡ぐ。 「綺麗でしょう。なかなか見れませんよ、アレ」 そうどこか自信ありげに言った彼は、す、と私の前に色とりどりの宝石を差し出した。 「女性には宝石が似合いますし、いくらでもどうぞ」 先ほどのあれだろう。断るのも悪い気がしたので一つだけ、深い青色をした宝石を一つだけ貰う事にした。その宝石は深い海のような色をした静かな静かな石だった。 土砂降りの雨の中、作業していた彼は濡れ鼠のようだった。 それでは、と折り目正しく一礼して去り行こうとする背中に、待って、と思わず声が出ていた。その背中があまりにも細く、儚げだったから。声をかけていないとそのまま消えてしまいそうな気がしたから。何故そんなことをしたのかは分からない、ただ、この人をそのまま行かせてはならないと、そう思ったのだ。びしょ濡れの彼に私が差し出したのは薄いピンクのハンカチ。そんなものではもうどうにもならない位に濡れているのを知っていて、それでも差し出した。彼は一瞬驚いたような表情を見せた後、笑ってそれを受け取ってくれた。 「ありがとうございます。あとで洗って返しに来ますね」 丁寧な声だった。 これが私と彼、フロスト・ユリアス・シェパードとの出会いだった。 この時の私はまだ、この彼との出会いが深く昏い怪奇の淵への誘いに続くのだとは夢にも思っていなかったのである。 GOOD! -- 通りすがりU (2012-08-03 21 30 20) 巧みな描写に感嘆しました。古めかしい言葉選びが、さらに不可思議な空間へと読者を誘うかのようです。 -- ミモリ (2012-08-04 00 55 21) 名前 コメント
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利用状況 ウィキ内共通利用ファイル管理の現在利用しているデータ容量を確認できます。 ファイルの容量が足りない場合 ウィキ共通利用ファイル管理の容量が少なくなると上記のような警告表示がでます。 詳細は「容量不足への対応方法」をご確認ください。
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ルーアに呼び出される。 ナスカの指示通り上へ向かう。 イベント戦闘。戦闘前にルーアとの会話で選択肢。「ちょっと自信ねーかも。」を選ぶとチュートリアル戦闘、戦闘について基本的なことをひと通りルーアに教えてもらえる。 「覚えてるって。」を選ぶと通常戦闘、この場合はモタモタしていなければ先手を取れるので戦闘についての基礎知識がしっかりしているならこちらを選ぼう。 カプセルについてのルーアの解説、サーヴィルなどが顕著だが見づらいところもあるので注意。 道なりに進みジェルとのボス戦。ボス戦前にナスカ加入。 戦闘の初めにナスカによるスキルとスキップについての説明が入る。 敵に先手を取られるのは少々痛いが問題はなく戦えるだろう。 実はチュートリアル戦闘前のエリアでも雑魚敵が出現する。ハードモードの場合、チュートリアル戦闘前のエリアで鍛えておかないと、チュートリアル戦やボス戦で詰む可能性があるので、ある程度鍛えておくこと。ボスの場合、大体Lv12〜13もあれば問題ない。 【アイテム】 入手アイテム 場所 タブレット×2 北東エリア 【敵リスト】 敵の名前 体力(ノーマル時) Exp(ノーマル時) フォッグ 入手アイテム サーヴィル分裂兵 250 7 15 タブレット ジェル(ボス) 1500 110 200 キュイラス
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黒執事の登場人物(くろしつじのとうじょうじんぶつ)は、枢やなの漫画作品『黒執事』に登場する人物の一覧。また、それを原作としたテレビアニメ『黒執事』および『黒執事II』に登場する人物のほか、舞台版やゲーム版のみに登場する人物についても記述する。なお、実写映画版の登場人物については黒執事#キャストを参照。 担当声優は、ドラマCD版 / テレビアニメ版の順。「-」は未登場を示す。テレビアニメオリジナル設定は、一覧の末尾に表記する。 主要人物 セバスチャン・ミカエリス(Sebastian Michaelis) 声:森川智之 / 小野大輔 本作の主人公。ファントムハイヴ家の執事。瞳は紅茶色。黒髪。身長186cm。 品位・教養・武術・料理・容姿など、完全無欠(パーフェクト)だが、その物腰は柔らかく極めて謙虚。ただ、慇懃な態度のまま毒舌や皮肉を吐くことがあり、主人のシエルにも容赦がない。間抜けな使用人トリオに対しても慇懃な態度は崩さないが、度重なる失敗を度々フォローさせられていることから、心の中で暴言を吐いていることがある。猫(猫科の虎も含め)好きで、特に肉球を押すことが好き。 正体は悪魔。そのため、人間業では到底不可能なことさえ難なくこなす。シエルとは、シエルが復讐を果たすまで彼の手足となり、彼を殺さず守り抜くという契約を結んでおり、左手の甲には黒魔術を示す逆ペンタクルが描かれている。 決め台詞は「あくま(悪魔)で 執事ですから」「ファントムハイヴ家の執事たる者 この程度のことが出来なくてどうします?」「御意 ご主人様(イエス マイロード)」。 作中では、ファントムハイヴ家で以前飼っていた犬の名前からシエルによって名付けられた。それ以前の名は不明。作者は「セバス」と呼んでいる。 ケルベロスという名の犬を飼っている設定になっているが、本編には未登場。 ノアの方舟サーカス編では、入団当初から驚異的な運動能力を発揮。また、この時点でウィリアムを嫌っているような素振りを見せる。サーカスでの名前は「ブラック」。 原案では七三分けだったが、作者に対して「それ地味じゃない?」という意見が関係者から出た為に髪型を始めとしたデザインを急遽変更、連載開始時には現在のセンター分けのセバスチャンとなった。 テレビアニメ版 「犬は嫌い」と発言している。第1期最終話では、真の姿(本人曰く「無様で醜悪でえげつない」)を現したが、その姿は視聴者には一部しか見えないようにされていた。 第2期では、アロイスとハンナの契約によりシエルが悪魔に転化したことでシエルが魂を失ったため、永遠にその魂を食べることができなくなる。さらに「魂を食らうまで執事として従え」という命令と、バラ迷宮でシエルに「お前は永遠に僕の執事だ。」という命令に「イエス。」と答えてしまったため永遠にシエルの執事として仕える運命となる。その後、執事長の証であるピンを家令であるタナカに返上し、シエルと共にファントムハイヴ家を去る。そして決め台詞も「あくまで(悪魔)で執事ですから。」から「あくまで(悪魔)で悪魔の執事ですから。」に変わる。 シエル・ファントムハイヴ(Ciel Phantomhive) 声:沢城みゆき / 坂本真綾 もう1人の主人公。通称:坊ちゃん。物語開始時は12歳。身長は明言されていない。ファントムハイヴ伯爵家・現当主の少年。1875年12月14日生まれ。舞台版ではスコーン(お菓子)で表現されるほど身長が低く、体重が軽い。 幼くして広大な領地を治め、玩具・製菓メーカー「ファントム社」の社長を務める天才実業家。 我侭かつ傲慢で冷静沈着だが押しに弱い面もあり、ペースを乱されることもある。周りに翻弄され騒ぎに巻き込まれて溜息をつきつつも、結局は容認する苦労人な一面も。だが彼の基本中の基本である「逆境に屈せず誇り高く生きる姿勢」は、セバスチャンに強く一目置かれている。 歳の割に大人びている反面、午後のティータイムのおやつは欠かさず、セバスチャンが来客のために用意した「暴れん坊伯爵」型のチョコレートを摘み食いするなどの甘党ぶりを見せる。辛いものはあまり好まない。フランス語が話せる。昔から身体が弱く、喘息持ち。猫アレルギーでもある。 人付き合いを好まない為、「社交界にも滅多に姿を見せないレアキャラ」と劉に称されており、さらにセバスチャンに壊滅的と言わしめる程に社交ダンスが苦手。 瞳は青碧色だったが、セバスチャンとの契約後、右目のみアメジスト色のオッドアイになる。容姿は母親似の女性顔で、髪は父親譲りの美少年。 ドルイット子爵に近づく任務の際、正体を隠す為に嫌々ながらも女装の提案を受け入れる。その際には子爵から「駒鳥」と評される可憐さを醸し出した。 代々、イギリスに違法の麻薬を持ち込むマフィアの始末など、女王(英国王家)のためにイギリスの裏社会の管理や汚れ仕事を請け負っているため、悪の貴族、女王の番犬、裏社会の秩序などの通り名を持つ。一族としての覚悟は相当で、その覚悟はセバスチャンの興味の対象となっている。 3年前、何者か(テレビアニメ版ではアンジェラ/アッシュ)に両親を惨殺され、狂気じみた団体へ売り飛ばされた。以降1ヶ月はその団体の黒ミサの生贄の一人として監禁され、地獄のような日々を送る。自らが生贄となった際に召喚されたセバスチャンと契約を交わし、団体から脱出した以降は彼を執事として仕えさせている。普段は眼帯で覆われている右目に、セバスチャンの左手にあるものと同じ模様の逆ペンタクルがある。契約終了後、シエルの魂はセバスチャンのものとなる。 許嫁のエリザベスに翻弄されて、鬱陶しく思うものの、陰ながら支えてやりたいらしい。 ノアの方舟サーカス編では、セバスチャンの協力を得てサーカスへ入団。「スマイル」という名を付けられた(現在でもスネークからはスマイルと呼ばれている)。 テレビアニメ版 アンジェラを倒したことで復讐を遂げ、契約通り魂をセバスチャンに渡して死ぬはずだった。しかし、アンジェラとの戦いの直後にクロードに魂を一時的に横取りされていたため、復讐に関する記憶を失ったまま生存していた。その後アロイスの記憶を上書きされたことで記憶を取り戻すも、アロイスとハンナの契約に巻き込まれる形で悪魔に転生し人間の魂を永遠に失う[注釈 1]。人間として生きられなくなったことで近縁の者に別れを告げ、セバスチャンと共に屋敷を去った(1889年8月26日に人間としての生を終えたことになっている。享年13)。 ファントムハイヴ家使用人 タナカ(Mr.Tanaka) 声:麦人 / 藤村俊二 ファントムハイヴ家の家令(ハウススチュワード)。先代からファントムハイヴ家に仕えている古株。 身分は執事のセバスチャンより上だが、仕事をしている姿が描かれておらず、いつもお茶を啜っている。第2話からは常にデフォルメされた姿で描かれている。 柔術の使い手であり[1]、暴れるウッドリーを取り押さえるなどその実力は高い[2]。連続殺人事件編ではセバスチャンの代理として執事長に任命され、使用人3人にてきぱきと指示を出していた。 シエルの両親共々殺されかけたが、幸運にも命を取り止めた。 テレビアニメ版 最初からデフォルメされているが、時折リアル化しており(「リアルタナカさん」と呼ばれる)、表に出られないシエルに代わって「ファントム社」代表として新聞社のインタビューに応じた。3分経つとデフォルメに戻り、眠ってしまう。 モデルは俳優であり、アニメで声を担当している藤村俊二。 フィニアン(Finnian) 声:高城元気 / 梶裕貴 通称:フィニ。ファントムハイヴ家の庭師(ガードナー)。まだ幼さを残し、元気で人懐っこい純朴な少年。16歳。身長163cm。金髪碧眼。 シエルのステッキや、太い木の幹を素手で折るほどの怪力を持つ。本人なりに、平時においては力加減などで考える一幕もある。庭師でありながら不器用で、庭の木を全て枯らして更地にしたことが数回あり、セバスチャンにバカと断言されている。「暴れん坊伯爵」の主人公に憧れている。怪談が苦手。 物語開始の約1年前、シエルに拾われたことがきっかけで庭師としてファントムハイヴ家に仕えるようになった。 怪力は、セバスチャンに雇われる前に人体実験の検体だった過去に起因する。どこかの組織の実験体として扱われた結果、首元にはコードナンバー(漫画では「S-012」)が刻印されたため、麦わら帽子で隠している。怪力を発揮する時は目の色が変化する。 テレビアニメ版 人体実験の目的が謎の薬の実験台と設定されており、怪力もそれによって発現したものである。 バルドロイ(Baldroy) 声:小山力也 / 東地宏樹 通称:バルド。ファントムハイヴ家の料理人(シェフ)。身長180cm。常に煙草を吸っているいかつい男。 料理人だが、今までに作ったものはセバスチャン曰く「8割方が炭(残りの2割は有害物質)」で、今までまともな料理を作ったことは牛たたき丼以来一度も無い。しかし努力はしているようで、目玉焼き程度なら作れるようになったらしい。セバスチャンに窘められることはあるが勤務態度はやや不真面目で、他の2人と違い言いつけを聞き流そうとする一面もある。 アメリカ出身で、母国から取り寄せた新兵器を使い、ラムのラベンダー焼きを作ろうとするほど豪快な性格。セバスチャンに雇われる前は兵士だったようで、現在とは比べものにならないほど過酷な所に身を置いていた。 フィニやメイリンと共に行動することが多く、3人の中ではリーダー格。2人を率いて屋敷内のトラブル解決に乗り出そうとする。また、有事に関しても、シエルやセバスチャンが不在の時はフィニやメイリンを統率する。無精髭と咥えタバコがトレードマークで、作者曰く「オヤジ少年」。 テレビアニメ版 敵の策を看破するなど優秀な軍曹だったが、意見を上官に却下されて小隊は壊滅し、バルドだけが生き残ったという過去を持つ。 メイリン(Mey Rin) 声:折笠富美子 / 加藤英美里 ファントムハイヴ家の家女中(ハウスメイド)。23歳。身長165cm。中国人。原案では中国系の出身という設定。 極度の遠視で、シエルから贈られた眼鏡を掛けている。極度のドジッ娘で、割った食器は数知れない。「ですだよ」などの訛りが入った口調で話す。フィニと同様、怪談が苦手。 セバスチャンに好意を寄せている様子を見せるが、全く報われていない。色恋事にはかなり奥手であり、セバスチャンに顔を寄せられただけで紅潮する。曰く「心を許した人の前でなければ脱がない」と決めているらしい。作中ではあまり触れられないが、ニナにはグラマラスな容姿を評価されている(後述のアニメ版でも水着回や胸の谷間を強調したサービスシーンがある)。 有事の際には眼鏡を外せば、照準器を使わなくても目標を簡単に仕留めることができる。また、本人曰くシエルの屋敷で働くまで女性らしい格好をしたことがなく、有事の際には普段とは打って変わって至極冷静になる。 テレビアニメ版 驚異的な視力を活かした狙撃手としての活動中に、セバスチャンにスカウトされた。原作とは違って怪談は大好きであり、曰く付きの古い屋敷の怪現象にも目を輝かせるほど。色恋沙汰にいくばくかの興味があるようで、情事や男性の全裸を見て鼻血を噴き出していた。 スネーク 声:寺島拓篤 ファントムハイヴ家の従僕(フットマン)。元ノアの方舟サーカス一軍団員。体の所々が蛇の鱗のような皮膚に覆われた細面の男。 基本的に寡黙で無表情。首にはほぼ常に毒蛇を巻き付けており、自分のテントには多数の毒蛇を放し飼いにしている。「~…って(蛇の名前)がいってる」と、常に蛇の代弁という形をとりながらしゃべる。 サーカスでの担当演目は蛇使い。一軍の中で唯一、ジョーカーらとは異なる地で育った。片親が「蛇」というハーフ(蛇男)である、という演出で登場しており、実際に先述の様な皮膚を持っている他、蛇との会話も出来るらしい(ジョーカー曰く、蛇が友達)。サーカスに来る前は見世物小屋で蛇男として見世物にされており、そこから助け出してくれたジョーカー達には多大な恩を感じている。サーカスの裏仕事のことは、一軍の中では唯一全く知らない。それ故にファントムハイヴ家襲撃にも一切関わっていなかったため、サーカス一軍の中で一人だけ生き残った。 ファントムハイヴ邸襲撃後に行方不明となった一軍団員を探すため、一緒に行方不明となったスマイルとブラック(=シエルとセバスチャン)の衣装の匂いを追ってタウンハウスに辿り着き、シエルの客だと思ったソーマの案内でファントムハイヴ本邸にやってくる。シエルとセバスチャンがジョーカー達を殺害したと考え、復讐のために蛇を使ってシエルの殺害を企み、ファントムハイヴ邸連続殺人事件中にたまたまシエルの部屋に泊まることになったフェルペスを殺害。その後セバスチャンに見つかって捕縛され、サーカス団の真実を知らされるが、シエルの「ジョーカー達は証拠を掴む前に行方をくらませた」という嘘に騙される形で、シエルと一緒に一軍団員達を探すためにファントムハイヴ家に使用人として雇われることになる。雇われてからもシエル達のことはサーカス時代の名で呼ぶ。 余談だが彼が飼っている蛇たちの名前は、イギリスで活躍した文学者らの名前からとられている(オスカー、ワイルド、ワーズワス、キーツ等)。 ファントムハイヴ家関係者 ヴィンセント・ファントムハイヴ(Vincent Phantomhive) 声: ‐ / 興津和幸 シエルの父親。ファントムハイヴ伯爵家・前当主。ブルネットの髪。レイチェルとは彼女の父親を通じて知り合い、結婚。幸せな日々を送っていたが、3年前、何者かによって殺され、屋敷に放火される。 穏やかで物腰柔らかな人物だが、自分に利のある人間以外には一切の興味を示さない。「女王の番犬」としての顔は冷酷であり、裏社会では恐れられていた。ウェストン校では紺碧の梟寮の監督生であり、「碧の奇跡」の立役者。 レイチェル・ファントムハイヴ(Rachel Phantomhive) 声: ‐ / 植竹香菜 シエルの母親。母親似の亜麻色の髪を持つ美人。生前は病弱で喘息持ちだったが、性格は陽気でくだけている。妹(アンジェリーナ)とは雰囲気が似ている。ヴィンセントと結婚して幸せな日々を送るが、3年前、夫と共に惨殺された。 エリザベス・ミッドフォード(Elizabeth Midford) 声:斎藤千和 / 田村ゆかり シエルの許婚、愛称リジー、侯爵令嬢。1874年10月14日生まれ。13歳。身長154cm。フルネームは、エリザベス・エセル・コーディリア・ミッドフォード(アニメ版第1期第3話より)。 父親はアレクシス、母親はフランシスであり、シエルとはいとこ同士。明るく天真爛漫な性格。シエルが大好きで、彼に笑顔を戻すべく励まそうと奮闘する。ロリータ系などの可愛い物にも目がない。 実は母親以上の剣術の才能の持ち主。幼少期にはシエルに怖がられることを恐れて剣術を嫌っていたが、先代ファントムハイヴ伯爵夫妻の惨殺とシエルの失踪・帰還を機に「シエルを守れるようになりたい」と強く願っている。それからもシエルに嫌われたくない一心で周囲に剣士であることを隠していたが、豪華客船編ではシエルに諭された上、自身が危機的状況に置かれたことで初めてシエルの前で剣を持ち、戦った。 フランシス・ミッドフォード(Francis Midford) ヴィンセントの妹にして、エリザベスの母親。シエルの父方の叔母。非常に厳格で規律に厳しく、惰性と欲を何より嫌う。噂では、女王陛下主催のフェンシング大会において騎士団長のミッドフォード侯爵に人間とは思えない強さで勝利したことがきっかけで、結婚したらしい。結婚後も日々の鍛錬を怠らず、若き日の強さと美貌を保っている。 フェンシングの他に狩猟も得意としており、シエルに狩り勝負を持ち掛けたこともある。男が前髪を伸ばす事を快く思っていない。またシエルと顔を合わせる度に鍛え直そうとしている。誕生日を迎えたシエルに笑顔で祝福の言葉を述べる姿から、両親を亡くした彼を心底可愛がっている様子。 アレクシス・レオン・ミッドフォード エリザベスの父親。英国騎士団団長。厳格な雰囲気を漂わせているが、性格はお茶目。シエルのことを気に入り、娘と共に彼に抱きついては、妻に窘められる。ウェストン校では翡翠の獅子寮に所属し、ディーデリヒの寮弟だった。ヴィンセント・ファントムハイヴより、年下である。 エドワード・ミッドフォード ミッドフォード家長男で、エリザベスの兄。英国騎士団に所属。 典型的なシスコンで、一家で唯一シエルを許嫁であると認めていない。その一方、心の底ではシエルが妹のパートナーとして相応しいことは認めている模様。ウェストン校では翡翠の獅子寮に所属し、グリーンヒルの寮弟になっている。自身は「自分は凡人だ」と言うが、周りの人たちの才能を嫉妬することなく追い求め、自らを天才へと近づける才能、『一直線の尊敬(フルリスペクト)』の持ち主。 アンジェリーナ・ダレス(Angelina Dalles) 声:勝生真沙子 / 朴璐美 通称マダム・レッドまたはアン叔母様。結婚前から レディ・レッド と呼ばれていた。通称名は、父親似の赤髪を持ち、自身も赤を好むことが由来。元バーネット男爵夫人で、レイチェルの妹。 馬車事故に巻き込まれた際、夫を亡くした上に自身も内臓破裂に見舞われ、妊娠していた子供と子宮を切除された。その後は看護師を経て、ロンドン王立病院の女医に就いた。 若い頃は赤髪と姉の美貌に劣等感を抱いていたが、ヴィンセントに褒められて自信を持ち、彼に惹かれる。美人であり、‘社交界の花形’‘夜会の女王’などの美称を持つ。下ネタ好き[注釈 2]。任務の一環で、とある舞踏会に潜入することとなったシエルにマナーなどの手ほどきをした。 裏の顔は切り裂きジャック事件の犯人。動機は、気軽に子供を堕胎する娼婦達への嫉妬と怒りから。シエルに正体を見破られて彼を殺そうと目論むが、躊躇したためにグレルに見限られデスサイズで胸を切り裂かれ死亡した。 ソーマ・アスマン・カダール(Soma Asman Kadar) 声: - / 立花慎之介 逆さ吊り事件の捜査をしていたシエル達の前に突如として現れた、ベンガル藩王国第26王子。17歳。 単純な性格で、他人の言うことを鵜呑みにしたり、すぐに立場を変えたりもする。好奇心旺盛で、初めて見る物には何でも興味を示す。宮廷育ちらしく我侭を言うことも多いが、セバスチャンに脅しに近い形で諭されたことやシエルの過去を知ってからは、ある程度控えるようになり、時にまっとうな正論を言うことがある。基本的に空気を一切読まないため、シエルからは鬱陶しがられているが、シエルへの思いは真剣であり、「王子」というその身分を買われ頼みごとをすることもある。 宮廷で乳母役をしていたミーナを連れ戻しに、英国へやって来た。カリー勝負後は、自立した良い男になるべくファントムハイヴ邸に居候しようとするが、シエルの口八丁によりアグニと共にファントムハイヴ家の別邸(タウンハウス)の管理を任された。名門寄宿学校編では、本人に自覚は無いがモーリス・コールを排除する駒として入学させられ、深紅の狐寮に配属される。クリケット大会では一流の技術を見せ、また王族育ちゆえに幼少から英才教育が施されていたらしく、寄宿学校の授業が簡単すぎるというほどの知恵もあるという。 テレビアニメ版 2期ではセバスチャンからシエルの記憶喪失を聞かされ、それがばれないよう芝居をすることを誓ったものの、再会するなり泣いて抱きつき、アグニが必死でごまかす。 アグニ(Agni) 声: - / 安元洋貴 ソーマの執事(カーンサマー)。ソーマと共にミーナを探しにやって来た青年。旧名アルシャド。主人のソーマの命令に対し、「御意のままに(ジョー・アーギャー)」と応じるのが決め台詞。 常に温厚かつ冷静な出来た人物であり、ファントムハイヴ家の使用人トリオにも的確な指導をするなど、その器量はセバスチャン以上。ソーマへの信仰心による自己暗示(サマーディ)で自らを強化することができ、フェンシングでセバスチャンと対等に渡り合えるほどの卓越した身体能力を発揮する。何百種というスパイスから最高の調合を行い、奇跡のカリーを作り出す「神の右手(カーリーの右手)」を持つ。司祭階級(バラモン)に生まれながらも堕落した父や自身も神を信じられず冒涜と悪逆の限りを尽くし、処刑される寸前に自らを救い出し改心させてくれたソーマを神と慕う。 「インド帰り逆さ吊り事件」の真犯人。ミーナの本性をソーマに知らせたくないがためにハロルド側に付き、彼の計画に従っていた。その後はカリー勝負でセバスチャンと対決し、同等の実力と評されるが、ヴィクトリアの裁量によって敗北した。セバスチャンの数少ない人間の友人のひとりである。 ニナ・ホプキンス ファントムハイヴ家専属の仕立て屋。シエルや使用人達の衣類デザインを一手に引き受ける。自他もとに認めるレズビアンおよびショタコンで、女性と15歳以下の少年しか興味がない(本人談)。シエルとメイリンにはセクハラに近い態度で接するが、フィニとバルド達には素っ気ない。更にセバスチャンとは、デザインセンスの違いなどもあり、お互い反りが合わない様子。 王室関係者 ヴィクトリア(Victoria) 声:川澄綾子 英国女王。英国史上最も輝かしい歴史を築いた女王で、世界中に植民地を広げ、英国を「太陽の沈まない国」と呼ばれるほどに発展させた。政治的手腕と服や行事・ダンスに至るまで様々な流行を発信し、国民から絶大な支持を得ている。「暴れん坊伯爵」のモデルという噂もある。 劉曰く「結構キャラが濃い」人で、亡き夫・アルバートを未だ愛する余り、彼との思い出が蘇る度に所構わず泣き崩れることもしばしば。シエルを「ぼうや」と呼び、シエルの父・ヴィンセントのことも高く買っている。シエルが唯一頭が上がらない人物である。 シエル曰く「世界を変える蝶の羽ばたき(=バタフライエフェクトの発端)が見える」とのこと。命令違反には厳しく、事件を利用しシエルの女王の番犬としての資質を試すこともある。 テレビアニメ版 原作とは全く異なる人物となっており、素顔は常に黒いレースで覆われ、会話は全て従者のアッシュに代弁させている。カリー審査会場へ馬で乗り入れるような大胆さもない。その素顔は少女の姿で、亡き夫の身体に自身を接いだ不老不死。シエルが探し求めた黒幕の正体で、浄化のためにシエルの両親を始末し、それまでの忠義に対するせめてもの弔として両親を結合させたと語った。身体が腐りかけた時にアッシュによる浄化を女王が拒んだことから彼に見限られ、そのまま死亡したが、元の姿に戻った。 ジョン(John Brown) 原作で、ヴィクトリア女王の馬丁を務める男性。凄腕の鞭使い。常にゴーグルを着けており、素顔は不明。ヴィクトリアの馬に踏みつけられても平然と起き上がったり、シエルのポケットに気づかれぬままヴィクトリアの手紙を忍ばせたりと、身体能力は非常に高い。 アルバートを思い出したヴィクトリアが泣き崩れる度に、彼を模したパペットの腹話術で彼女を慰めている。テレビアニメ版には登場せず、後述するアッシュに取って代わられている。 チャールズ・グレイ 声:木村良平 女王守護を執り行う秘書武官兼執事。フィップスとコンビで「Wチャールズ」と呼ばれている。一人称は「ボク」。爵位は伯爵。ウェストン校 翡翠の獅子寮OB。 「紅茶に名がつく程の名家」出身といわれていることや、祖父が首相を務めていたという事から、グレイ伯爵家出身であると思われる。 剣術を得意としており、バルドとメイリンを一蹴するほどの実力を持つ。また、誰に対しても不遜と言えるほどの態度を示すが、大食漢で幽霊が怖いという一面も持つ。他に蛇なども苦手。影でシエルを「クソガキ」と呼んでおり、非常に嫌っている。 ヴィクトリア女王の命を受け、ファントムハイヴ家で行われた正餐会でジーメンスを騙し殺害、更に事件を調査していたセバスチャンも殺害し、その罪をシエルになすりつけようとするが、シエル達の策略によって失敗。真犯人の濡れ衣を着せられたウッドリーを連行中、腹いせに彼を殺害する。 テレビアニメでの女王の執事(白執事)であったアッシュと同じく白を基調とした燕尾服をまとっており、髪も白い。テレビアニメには未登場。 チャールズ・フィップス 声:前野智昭 女王守護を執り行う秘書武官兼執事。グレイとコンビで「Wチャールズ」と呼ばれている。一人称は「俺」。ウェストン校 翡翠の獅子寮OB。 寡黙であり、「女王の命令は絶対」という揺るがぬ信念を持っている。「~が出来てこそ一流の執事」が口癖で、ほぼなんでも完璧にこなす万能人。可愛いものが好きで、刺繍のセンスに関してエリザベスと気が合う。 裏世界の住人 劉(ラウ)(Lau) 声:遊佐浩二 / 同左 中国の貿易会社「崑崙(コンロン)」の英国支店長兼上海マフィア青幇(チンパン)の幹部。華僑。一人称は我(わたし)。身長177cm。 シエルに英国内で阿片窟を開く許可を得る代わりに、東洋人街の管理を請け負っている。普段は中国服を着ており(舞踏会に出席した時は変装の辻褄合わせの為に燕尾服を着用)、身軽な服装の下に鍼(本人曰く治療用)を忍ばせている。 飄々とした性格[注釈 3]で、知ったかぶりをすることが多く、真実を仄めかすような発言をしてはシエル達を苛立たせている。また、「新年会の眠れる虎」を自称しておきながらギャグセンスは皆無[注釈 4]である。 本性は開眼した時に垣間見え、とぼけたような発言とは裏腹に、自らのシマを荒らした者は決して許さない冷酷な一面も併せ持つ。 作者曰く 連載当初から最も変化したキャラクター 。 テレビアニメ版 第1期でとある事件がきっかけとなってシエルから離反し、藍猫と共に逃亡を図る。自分を追ってきたシエルに「君の駒であることに退屈した」と吐き捨てて殺そうとしたが、セバスチャンに阻まれて成敗され、藍猫と共に海に落下した。しかし死んだわけではなく、第2期では藍猫と共に何事も無かったかのように舞い戻ると、セバスチャンの頼みにより記憶を失ったシエルに離反前と同じように接する。ちなみに、第1期第20話では「ラウ・ターレン」と呼ばれているが、これはフルネームではない(「ターレン」とは、中国語での敬称「大人」のことであり、日本語での敬称「様」に相当する)。 藍猫(ランマオ)(Ran-Mao) 声:矢作紗友里 / 同左 劉の義妹。丈の短いチャイナドレスを纏った美少女。身長158cm[注釈 5]。 寡黙で無表情であり、喋る時も片言で、ほぼ劉に促される形で喋る。巨乳。 常に劉の傍らに控えている他、錘を持った姿も見受けられるなど、彼の用心棒であるとも窺える。身体能力はかなり高い。 テレビアニメ版 寡黙で無表情な一方、劉のことを「義兄さん」と呼ぶ姿も見受けられる。また、チャイナドレス以外にも露出度の高い衣装で平然と表へ出る上、見えてはいけない箇所が見えても構わず戦うことが多い。第1期ではシエルから離反した劉と共に逃亡を図ってセバスチャンに倒されるが、第2期では劉と共に舞い戻る。 クラウス(Chlaus) 声:梁田清之/ ‐ シエルの古い知人。裏社会に通じており、シエルに情報を与える。イタリア語を喋っているシーンもあるなど、国籍は定かではない。 シエルからの要請でイタリアに麻薬密売の調査に赴いていた他、ヴィンセントが生きていた頃にはドイツに赴いていたりと、英国内よりも海外での活動を主としている様子。 アズーロ・ヴェネル(Azzurro Vanel) 声:平田広明 / 鳥海浩輔 表向きはイタリア貿易商の社長だが、実はイタリアン・マフィアの中堅幹部で英国への麻薬の密売を担当していた。シエルを誘拐するが、セバスチャンによって壊滅させられた。 ディーデリヒ ヴィンセントの代から付き合いがあるドイツ人。ウェストン校では翡翠の獅子寮の監督生だったが、クリケットで紺碧の梟寮に負けて、ヴィンセントの寮弟になる。食いしん坊で、現在はメタボ体型。 死神 グレル・サトクリフ(Grelle Sutcliff) 声: - / 福山潤 バーネット邸の執事。気が弱く、お茶もろくに入れられないほど不甲斐無い(テレビアニメ版ではファントムハイヴ家へ修行に出されたほど)が、歌は上手い。身長175cm。 正体は赤(血)を好む狂気に満ちた死神であり、赤い長髪のオカマ。「これでも執事DEATH(デス)★」が決め台詞。所属は魂の回収課で、自分用にカスタマイズしたチェーンソー型の死神の鎌(デスサイズ)を持つ。 セバスチャンに惚れ込んでおり、「セバスちゃん」と呼び、その妄想で彼に鳥肌を立たせたことがある(しかし、キャラクターガイド「その執事、集合」のグレルの告白部屋にて、「ウィリアムのことはどう思っているのですか?」という質問に対して、本命はウィリアムであると答えている。冷たくされると燃え上がっちゃう。とも発言しており、セバスチャンもタイプが似ているとのこと)。 規定違反となる行為を犯した際にはウィルに酷い目に遭わされ、彼に引きずられながら去った。後に謹慎処分が解けると、異常なテンションでファントムハイヴ家へ魂回収に向かった模様。 豪華客船編では、カンパニア号が衝突した氷山から同船に乗り込み、ロナルドと共に1000名以上の魂回収と、ついでに 動く死者 の調査を行う。 原画の時点では「~ショ」が語尾についていた。 テレビアニメ版 謹慎処分になっておらず、一時的に下働きへ降格された上でチェーンソー型の死神の鎌を没収された代わりに、2つの鋏(切れ味だけは以前のもの同様に優れているものの、威力は激減している)を持って再登場。その後は鋏すらも没収され、更に小さな2つの鋏を使っている。第1期24話ではウィルによって再びチェーンソーを得た。 セバスチャンの頼みには弱く、嬉々として言うことを聞いている。 ウィリアム・T・スピアーズ(William T. Spears) 声:杉山紀彰 死神派遣協会管理課の死神。通称ウィル。眼鏡を掛けた七三分けの男。 沈着冷静かつ几帳面で真面目な性格。残業は許さず、規定違反を犯した者には容赦ない。グレルとは同期であるため、彼の不始末の尻拭いをさせられることも多く、頭を悩ませる一面もある。セバスチャンら悪魔を(人間と契約していようがいまいが関係なく)害獣として忌み嫌っており、嫌悪感を剥き出しにする。 伸縮式高枝伐りバサミ型の‘死神の鎌’を持つ。 ノアの方舟サーカス団へは、「スーツ」という名で潜入していた。死神としての本性をまったく隠せていなかったが、団員たちからはギャグと受け取られていた。シエルとセバスチャンがサーカス団での調査を終えた後はケルヴィン男爵邸の魂回収へ赴く。 ロナルド・ノックス(Ronald Knox) 声:KENN 若手の死神。軟派な若者のような、軽薄で小生意気な性格だが本人曰く「残業しない主義」で、愚痴をこぼしながらも与えられた役目はきっちりこなす。またそのために、「現場に居合わせた」という事実だけで残業の原因になりかねない悪魔に対しては非常に攻撃的。 グレルとウィリアムの後輩で、グレルを「サトクリフ先輩」と呼んでいる。趣味は合コン。所属部はグレルと同じ回収課で、総務課の女性死神と仲が良いらしい。芝刈り機型の‘死神の鎌’を持つ。 ノアの方舟サーカス編にて初登場。ウィルの増援として現れケルヴィン男爵邸で魂の回収を敢行した。 豪華客船編では、カンパニア号2等に乗船。仕事の時間まで他の客とエールを飲んで過ごし、以降は1000人以上の魂回収と 動く死体 についての調査を実行中。 その後葬儀屋と戦闘中、セバスチャンにボコボコにされた。 テレビアニメ版 第2期9話にて、アロイスの魂の異変を察知してセバスチャンと接触する。「(次の死神は)ロナルド・ノックスDIE(ダイ)!」が決め台詞。庶務課の女の子に考えてもらったらしい。 葬儀屋(アンダーテイカー)(Undertaker) 声: - / 諏訪部順一 不気味な声音で話す長い銀髪の男。黒装束に身を包み、顔と首、左手の小指に傷があり、目は前髪で隠れており、外からは見えない。一人称は「小生」。シエルの知人で、彼に度々情報を提供している。趣味は棺に入れる前の遺体の検死。 セバスチャンも認める変人。葬儀屋としての顔とは別に、裏社会における秘密裏の死体処理およびそれらの死体の情報を扱う情報屋としての顔も持っており、情報料には現金ではなく極上の笑いを要求する。客へ出すお茶をビーカーに入れたり、骨壺のような入れ物に骨型のクッキーを入れていたりする(このクッキーは、外出時にも所持している模様)。後述の本性を現して以降、シエルを異常なまでに執着している。 死神だが、半世紀前に死神派遣協会を脱退している。他の死神と違い、眼鏡もかけていない[注釈 6]。しかし何らかの理由でシエル達のいる現世へと降り立っていたようで、「魂回収後の肉体に、走馬灯劇場(シネマティックレコード)の続きを無理やり入れたらどうなるのか」という自分の興味を満たすため、動く死体「歪んだ肉人形(ビザール・ドール)」を造り出した。大鎌の形をした死神の鎌(デスサイズ)を使用し、身体能力は非常に高い。他にも無数の卒塔婆を使いこなし相手を攪乱させる。通常、死神の鎌は派遣教会から許可を得て使用する支給品であるため、脱退時には必ず回収されるのだが、どのようにして持ち出したのかは不明。死神派遣協会からは「違反者」と見なされている。また、陰でウェストン校の校長もしている。 テレビアニメ版 原作以上に出番が多く、設定も追加されている。第1期第17話では、グレルの死に顔を貶したために壺へ入れられて塩漬けにされており(本人は気に入っていた模様)、この時だけは情報料を免除した。第18話では「伝説の死神」であったことが判明。素顔は、グレルが惚れるほどの美形らしい。マリー・アントワネットやロビン・フッドといった有名な人物の魂を扱った過去を持つが、現役は引退済み。死神派遣協会では、管理官クラスの役職に就いていた模様。ウィルやグレルでは扱えない最終兵器(デスブックマーク)を使用する場面も見受けられる。 ローレンス・アンダーソン OVA『死神ウィルの物語』に登場。死神派遣協会の中枢ともいえる眼鏡課の課長。通称おやっさん。最終試験に合格した全ての死神の眼鏡を制作している伝説の人。 アラン・ハンフリーズ 「ミュージカル黒執事 -The Most Beautiful DEATH in The World- 千の魂と堕ちた死神」に登場する舞台オリジナルキャラクター。死神派遣協会ではウィリアムも一目置くほどの優秀な優等生死神。真面目で責任感が強い性格。新人時代、エリックが教育係を担当しており、彼よりも好成績を残している今も彼に憧れている。死神がかかる死の棘が心臓に突き刺さる呪いにかかってしまう。その呪いを解こうと「穢れのない千の魂」をエリックが集めていることを知り、自分のせいで彼が手を汚し、死神派遣協会から追われる身になることを悔やみ、エリックと共に死神派遣協会を追われる道を選ぶ。「穢れのない千の魂」を集めることを止める代わりに自分が死んでも彼のパートナーでいることを望む。しかし、アランの命を救うためにアランに内緒でまだエリックが「穢れのない千の魂」を集めていることを知り、これ以上エリックの手を汚してほしくない一心で千個目の魂として狙ったシエルの盾となりエリックの一撃を受け、死亡。 エリック・スリングビー 「ミュージカル黒執事 -The Most Beautiful DEATH in The World- 千の魂と堕ちた死神」に登場する舞台オリジナルキャラクター。実力のある死神であるのだが、不真面目で職務態度はよくない。アランが新人時代、彼の教育係をしていた。アランが死神がかかる死の棘が心臓に突き刺さる呪いにかかっていることを知り、唯一呪いを解く方法である「穢れのない千の魂」を集めるようになる。そのことが死神派遣協会にばれ、追われる身になってしまうがドルイット子爵の協力もあり、999個までの魂を集める。しかし、最後の千個目としてシエルを狙い、自分を止めようとシエルの盾となったアランを斬ってしまい、自分の手で殺してしまう。アランを救えなかったことと自分の手で殺してしまったことに絶望し、セバスチャンに殺してもらうことを望み、セバスチャンの手でアランの死神の鎌(デスサイズ)で斬られ死亡。 ノアの方舟サーカス ケルヴィン 貧救院を経営する貴族で、ジョーカーらの父親的存在の男。爵位は男爵。ジョーカーに宛てた手紙では「笛吹きの息子・トム」と名乗る。 夜会で出会ったファントムハイヴ家の持つ裏の顔を知り、その“闇”に魅了され、以降は執拗に同家へ執着するようになる。己には無い“闇”の魅力を欲する余り、自分を整形手術で少女の人形のような姿に変えようとしたり、子供を誘拐してサーカスじみた見世物をやらせたりと、徐々に変態的な行為へ走っていった。 シエルが生贄として捧げられた黒ミサに直接参加はしていないが、知己から話を聞き参加しようとするも果たせなかった。思いを果たすために再び黒ミサを再現しようと目論むが、激昂したシエルに銃撃されて重傷を負い、最期はセバスチャンに頭部を踏み潰されて死亡した。 ジョーカー 声:宮野真守 サーカス団のまとめ役。担当演目は道化師(ジョーカー)。道化師を演じている間は京都弁で話す。 普段は明るく振る舞っているが、ケルヴィンの命令で犯罪に手を染めている負い目から、団員たちと精神的に距離をとっている節がある。ケルヴィンの異常な性癖を嫌悪しながらも、孤児だった自分や仲間を育ててくれた恩もあるゆえに従う。 右腕は骸骨のような義肢で、前腕部には短剣が仕込まれており、戦闘の際は義肢に仕込んだ刃物に加えて杖で戦う。ケルヴィンを撃ったシエルに襲いかかるが、セバスチャンに左腕を切り落とされ、それでもなおケルヴィンの助命を乞う。最期はサーカス一軍の敗北と、先生の本性と自らの義肢の原料を知り、絶望のうちに失血多量で死亡した。 ウィルの審査情報によると、「娼婦カレン・テイラーの息子で1863年4月2日生まれ、1889年2月9日25歳で死亡、本名は不明」と記されている。グレルの際にボツにされてしまったため、「今度こそ!」というコメントと共に原画の時点では「ショ」が語尾に付く設定が記されていた。 ビースト 声:甲斐田裕子 一軍団員。担当演目は猛獣使い。黒い巻き毛の美女。 ジョーカーに思いを寄せているような素振りを見せている。ベティという名の虎を飼っている。手にする鞭は武器にもなる。左足が義肢。 セバスチャンがベティとスキンシップを取ったことでショーを台無しにされて以来、セバスチャンのことを「変人」と呼ぶようになるも彼の誘惑に陥落し、ケルヴィンの名を教えてしまう。 ファントムハイヴ邸へ乗り込んだ際にはダガーと共に行動していたが、バルドとフィニによって厨房へ追いつめられる。自分を庇ったダガーをバルドに射殺されて激昂しながら鞭を振り回すが、それによって部屋に充満してしまった小麦粉へバルドの投げ込んだマッチの火で粉塵爆発が起き、爆死した。 ダガー 声:岡本信彦 一軍団員。担当演目はナイフ投げ。 マイペースで明るい性格の少年。ビーストを好いており、彼女のことを「姐さん」と呼び、手を出した者には容赦なく制裁を加える。右足が義肢。 ファントムハイヴ邸へ乗り込み、ビーストと共に行動していたが、厨房に追いつめられた後にバルドのマクシム型重機関銃の掃射からビーストを庇い、彼女の腕の中で死亡した。 ドール 声:高垣彩陽 一軍団員。担当演目は綱渡り。 少年のような風貌と言動だが、実は女性。公演中はジョーカーに「お姫さん」と呼ばれている。顔にソバカスがあるため、シエルから「ソバカス」と呼ばれている。顔の左側に火傷の痕があり、普段は前髪(公演の際は花飾り)で隠している。 シエルが一軍のテントに忍び込んだ際に発見し、そのまま一軍のメンバーに見つからないように逃げ道を案内した。しかし、スネークの蛇によってそれが露見し、ピーターには平手打ちされてしまう。 面倒見が良く快活。同じような境遇に育ったと思っているシエルに何かと気を使い、思い入れも深い。一軍でありながら一人部屋を嫌う(本人曰く眠れないから)。 状況をジョーカーへ伝えるために馬でケルヴィンの屋敷へ向かうが、既にシエルとセバスチャンによって屋敷は燃やされていた。ファントムハイヴ家の者であることやジョーカー達を殺したことを明かしたシエルに激昂して襲いかかるが、セバスチャンの攻撃を受け死亡した。 ピーター/ウェンディ 声:泰勇気(ピーター)、新谷真弓(ウェンディ) 共に一軍団員。担当演目は空中ブランコ。 小柄で幼い風貌の2人組(劇中の描写から双子とうかがえる)。武器はワイヤー。 何らかの疾患により身体的成長が止まっており、実年齢は外見よりも上。そのためにセバスチャンを「坊や」と呼び、団員達からは「兄さん/姉さん」と呼ばれる。 ファントムハイヴ邸へ乗り込んだ際、ジャンボを倒したフィニへ襲いかかり、ワイヤーでフィニの首を切断しようと目論むが、遠方からのメイリンの射撃によってウェンディが射殺される。残されたピーターは狙撃を止めるべく先にメイリンを倒そうとするものの力及ばず、逃走を図った際に同じく射殺された。 ジャンボ 声:小柳良寛 一軍団員。担当演目は火吹き芸。 大柄な禿頭の男。強面だが、心優しく面倒見が良い。怪力が自慢。 何らかの疾患でいびつに育ち過ぎており、ケルヴィンに拾われる以前から大柄だった。 ファントムハイヴ邸へ乗り込むが、フィニと鉢合わせになって撲殺ないし圧殺される。 先生(仮称) サーカス団の専属医で義肢職人。ジョーカー達に義肢を提供した男性。 外面は温厚そうだが、内面は理想を追求するあまり人骨を使って義肢製作を行うことに傾倒する殺人鬼。ケルヴィンによって誘拐されて殺された子供達から骨を抜き取り、義肢を製作していた。最期はシエルの命を受けたセバスチャンに胸を突き破られ、死亡する。車椅子を使用していたが、サーカス団のメンバーを欺くための偽装であった。 ファントムハイヴ邸連続殺人事件編 アーサー 眼科医兼、若手の売れない小説家。気が弱いが冷静な性格。服の袖口にメモをとる癖がある。 マイナー誌に一度だけ掲載された長編小説をシエルが非常に気に入っていたことから、ファントムハイヴ邸で行われた正餐会へ招待され事件に遭遇する。 事件解決後、その裏に隠された真実を知ることになり、その際に交わした口止めの約束を守るため、逃げるようにさまざまな作品を生み出し続ける。その事件を基にした小説も書いていたが、後年暖炉に入れて焼却した。作中で語られる事件の全容は、この小説を基にしている。 当時の時代設定、ファーストネームや職業などの人物設定から、彼の素性はあのイギリスの有名な推理小説家であることが仄めかされている。 ゲオルグ・フォン・ジーメンス ヴィクトリア女王陛下の遠縁でありドイツからの客人で、正餐会の主賓。バンベルガー銀行名誉役員。 堅物で厳格な人物だが非常に酒癖が悪く、酔っ払ってアイリーンやメイリンに手を出すなどの一面も見られる。また、熟成中のワインを勝手に拝借する一面も見せる。 正餐会の夜、ファントムハイヴ邸の客室で何者かに殺害されているところを発見されるが、それはグレイに唆されての狂言だった。しかし正餐会の目的はヴィクトリア女王の仕組んだドイツ軍事力強化阻止のためのジーメンス殺害であり、その命を受けていたグレイに後に本当に殺害される。 カール・ウッドリー ダイヤモンド研磨業を営むウッドリー社の社長。正餐会の招待客。 プライドが高く、企業の経営者として、シエルに密かに対抗意識を抱いている。事件が起こると真っ先にシエルを疑い、彼に殴りかかろうとしてタナカに止められた。 ダイヤで手に入れた非合法な武器を紛争地域に売り捌く武器商人という裏の顔を持ち、シエル達に目をつけられていた。 シエル達の策略で連続殺人事件の真犯人の濡れ衣を着せられ連行されるが、シエルに罪を着せられず苛立ったグレイに腹いせに頭部を剣で貫かれ死亡する。 パトリック・フェルペス 造船・海運企業の大手であるブルー・スター・ライン社の御曹司。正餐会の招待客。 非常に気が弱く常におどおどしているが、会社の貿易課を任されるほどの手腕を持つ。劉とは商売敵の関係にある。 死亡したジーメンスの隣の部屋で宿泊することを恐れたためシエルの部屋を借りることになるが、シエルの命を狙って侵入したスネーク(の毒蛇)に殺害される。 グリムズビー・キーン 有名な舞台演出家。正餐会の招待客。正餐会に連れ添ったアイリーンとは密かに交際している。 明るい性格だが気が短く喧嘩っ早い。酔った勢いでアイリーンに手を出したジーメンスに激昂してトラブルを起こしかけている。 アイリーン・ディアス オペラ歌手。正餐会の招待客。 国立劇場を満席にするほどの実力と美貌を持つ。グリムズビーと密かに交際している。 グリムズビーより12歳年上。アンチエイジングの一環として、赤シソのエキスを飲んでいる。 ジェレミー・ラスボーン 教会の牧師。シエルとは昔からの知り合い。 セバスチャンが密かに手配した伝書梟の手紙を受け取り、嵐の中ファントムハイヴ邸にやって来る。 アーサー以上の観察眼を持ち、ファントムハイヴ邸連続殺人事件の捜査に乗り出す。 正体は変装したセバスチャン。捜査の際、常に先回りする形で、自身の死体役とジェレミー役とを行き来していた。また、ジェレミーとしてセバスチャンの遺体を検死する際は遺体をフェルペスにすり替え、後にグレイ伯爵が白布を剥ぐまでのうちに着替えて死体役に戻っている(その際、手袋だけ殺害当時のものに替え忘れている)。 自身が“シロ”だという証拠となったライシーアム劇場の『湖上の美人』のチケットは、前日にセバスチャンが夜会を抜け出して実際に鑑賞したもの(ただし2分しか観られなかった)。 名前はシャーロック・ホームズを演じた俳優であるジェレミー・ブレットとベイジル・ラスボーンに由来すると思われる。 豪華客船編 リアン・ストーカー カルンスタイン病院の院長にして、暁学会の会長。肉体や精神、果ては天候などあらゆる健康を好み、あらゆる不健康を嫌う。 「克服できない最大の不健康=死」という持論から、死という厄災を回避できれば人間は完全救済されるという意思の下で、死者甦生の技術開発に没頭していた。葬儀屋の協力で「歪んだ肉人形」を造り出し、それを死者甦生と謳って豪華客船にて披露するが、失敗しパニックを引き起こす。実際は葬儀屋の興味と「歪んだ肉人形」を欲しがる人間による実験を実現させるために、利用されていたにすぎなかった。 最期は船首が持ち上がったカンパニア号の床を滑り落ちる形で転落死した。享年34。 マーガレット・コナー カンパニア号処女航海日の2週間前に不運な事故で命を落とした少女。享年17。 死後、暁学会の研究発表会にて、リアンから完全救済(蘇生措置)を行われ、「歪んだ肉人形」と化す。そして最も近くに居たシェザンナを噛み殺した後に、棺桶から出て動き出す。その後現れたロナルドにより、死神の鎌で頭部を砕かれ完全に死亡した。 彼女の審査に入ったロナルドが走馬灯劇場(シネマティックレコード)を確認しようとしたところ、やはり走馬灯劇場が無いことが発覚。これにより、完全救済措置を行われた故人は 蘇生したのではなく、死体のまま動いている という事実が判明した(2週間前の事故死の際に、ロナルド自身の手でマーガレットの魂審査を行っている)。 シェザンナ・コナー マーガレットの母親。1841年7月23日生まれ。享年47。 事故死したマーガレットを復活させるため、リアンらと共にカンパニア号に乗船していた。リアンの力により動き出したマーガレットに熱い抱擁を行うが、「歪んだ肉人形」と化していたマーガレットに噛み殺されてしまった。 名門寄宿学校編 校長 ウェストン寄宿学校の校長。生徒及び教職員からは絶対的存在として扱われ、校長の名義で行われる権限の執行は疑問を抱くことすら許されない。面会にも副校長・P4・P4の寮弟・学園祭での優秀者といったごく僅かな立場の者しか許されておらず、平時は副校長を通じて指示を下し、表向きに顔を出すことも稀なためその人物像は謎に包まれていた。シエルの追跡により発覚した正体は知己の葬儀屋であった。 ヨハン・アガレス ウェストン寄宿学校副校長。多忙な校長の代わりに学内の一切を執り仕切っている。よくドジをふむ。 実はデリックと癒着しており、彼のいじめの隠蔽を行い、それを知ったグリーンヒルら監督生らにデリックとともに殺害され、「歪んだ人形」にされていた。挙動が不自然だったのはそのためだったが、葬儀屋によると人形としての機能は優秀だった模様。 P4 現監督生である4人の通称。寮も性格も様々だが全員が固い絆で結ばれた親友同士で、ウェストン校を愛しその伝統を重んじている。 その信念ゆえに伝統を穢す者を許せず、1年前にデリックやアガレスを衝動的に殺害、「暁学会」にデリック達の蘇生を依頼し事件の隠蔽を図った。シエルにより真相を暴かれた後は、デリックのスキャンダルを揉み消したい女王の意向で罪に問われない代わりに、4人とも放校処分となり。2年生のハーコートを除いてP4の寮弟が繰り上がって新しいP4に就任した。 エドガー・レドモンド 高貴で格式高い家柄の生徒が集まる「深紅の狐寮」監督生。長髪をたくわえた美男子。赤いウエストコートを羽織る。ドルイット子爵の甥で、容姿も似ている。 寛大な性格で、高貴な身分で優秀な人物であれば他寮の人間でも興味を示し勧誘する。寮弟が何度か変わっている。 1年前監督生になった後、デリックを寮弟としていたが、彼にいじめられていた生徒の告発によりデリックの本性を知る。デリック殺害後は叔父の伝手でリアンに犠牲者たちの蘇生を依頼した。 ハーマン・グリーンヒル 運動面において高い能力を誇る生徒が集まる「翡翠の獅子寮」監督生。髪をオールバックにした体育会系の青年。緑のウエストコートを羽織る。 スポーツ精神を重んじる性格。常にクリケットのラケットを携えているが、暴力は振るわないと心に誓っている。グリーンヒルに限らず緑寮の生徒は女性に弱い。 学校の伝統を穢した上に監督生の地位までも得ようとするデリックを許せず、彼らをラケットで撲殺し、殺人の実行犯となる。 ロレンス・ブルーアー 成績優秀な生徒が集まる「紺碧の梟寮」監督生。眼鏡をかけ常に本を読んでいる青年。青いウエストコートを羽織る。 規律や勉学に対して厳しく、実直な性格。8人兄弟唯一の男子で、姉が3人、妹が4人いる。 学園の伝統と規律を守ることに固執しており、デリック殺害の隠蔽を行ったときも自分たちが正義だと疑わなかった。 グレゴリー・バイオレット 芸術面に秀で、個性の強い生徒が集まる「紫黒の狼寮」監督生。フードを被り外界を嫌う青年。紫のウエストコートを羽織る。 極度の人間嫌い。絵画の腕に関しては天才的実力を持つ。グリーンヒルをモデルにして無茶なポーズをとらせるが、いつも別のモチーフの絵を描いている。 グリーンヒルが最初の一撃を加えた直後に部屋の出口を封鎖。グリーンヒルが後悔する中、同じ監督生として共に罪を背負う口火を切った。 その他の寮生 モーリス・コール 「深紅の狐寮」所属。レドモンドの元寮弟。学園一の美少年として人気があり、寮弟としての仕事も完璧に仕上げることから、次期監督生として注目を浴びていた。 本性はかなり狡猾であり、仕事をすべて後輩たちに押し付け、それを全て自らの手柄としていた。さらに監督生らに徹底的に媚びることで、次期監督生の座を自らのものにせんと企んでいた。しかしシエルを騙しその評価を貶めようとしたのが運のつきで、真実を暴露されたため力づくで口を封じようとするが、シエルの策で会話の内容すべてがP4に全て筒抜けになってしまい、踏み込んだグリーンヒルとエドワードに成敗された揚句レドモンドからは寮弟の契約を解消させられた。さらにとどめとして、シエルにより「つけまつげを装着している自らのすっぴん写真」を学校中にばらまかれた。 ジョアン・ハーコート 「深紅の狐寮」所属。2年生。コールに利用され嘘吐き呼ばわりされたため悲嘆に暮れていたが、セバスチャンに救われる。コールがレドモンドの寮弟を解消させられた後、その後釜に座った。 ヘーゲルの『論理学』の原書を読むほどの読解力をもつ。クリケットではスピンボールを得意とする。 エドワード・ミッドフォード 「翡翠の獅子寮」所属。グリーンヒルの寮弟。上記。 クレイトン 「紺碧の梟寮」所属。ブルーアーの寮弟。先輩風を吹かせる傾向があり、新人には厳しい。気軽に人を誉めない主義。デリックの事件解決後、新たに監督生となる。 チェスロック 「紫黒の狼寮」所属。バイオレットの寮弟。モヒカン頭の粗野な性格の青年。「紺碧の梟寮」の寮生を嫌っており、「がり勉」と見下している。事件後に新たな監督生となる。 クリケットではトップスピンをかけたドライブボールを得意とする。 彼の「パンクな外見でクラシカルな楽器を弾きこなす」というキャラクター性はパイプオルガニストのキャメロン・カーペンターをモデルとしたため。 マクミラン 「紺碧の梟寮」所属。シエルが学校で初めて喋った生徒で、以後親交を深める。そばかすのある純朴な青年。 デリック・アーデン 「深紅の狐寮」所属。ヴィクトリア女王のいとこであるクレメンス公爵の一人息子。ウェストン寄宿学校に行ったきり長期休みになっても帰ってきてない。 レドモンドの寮弟で大きな実績と才能を持っていたとされていたが、本性は冷酷で一部の生徒を仲間たちとともにいじめており、自分の実績や才能もすべて他人の成果を奪い取ったものだった。さらにアガレスを買収して自分の評価が落ちないよう根回ししており、何の努力もせず次期監督生の地位を得ようと目論んでいたが、1年前にその傲慢な態度に激高したグリーンヒルに仲間やアガレス共々殺害された。その後死体は「暁学会」に預けられ、葬儀屋により改良型の「歪んだ肉人形」にされた。 その他の登場人物 アレイスト・チェンバー 声:鈴木達央 通称ドルイット子爵。美しいプラチナブロンドの髪を持つ美青年。医大を卒業しているが、病院への勤務や開業はしていない。アンジェリーナ曰く「守備範囲バリ広の女好き」。 食や芸術の愛好家でもあり、品評会などにも度々顔を見せている。独特の美学を持つ。社交期(シーズン)には何度か自宅でパーティーを催しているが、裏では闇オークションを行っていた。また、暁学会のメンバーであることがわかっている(ちなみに「不死鳥」のポーズは我流)。 本編での「切り裂きジャック事件」の容疑者として挙げられ、シエルとセバスチャンの活躍によって逮捕されたが、後に保釈金を積んで出所した。豪華客船編ではリアンから「歪んだ肉人形」を停止させる装置を奪って自分の帝国を創りあげることを企むがあっさり失敗、客船の沈没後奇跡の生還を果たす。 原作・アニメ共にシリアスなストーリーの中で突然現れ、その場をかき回すというお笑いキャラと化している。登場人物のほとんどを苛立たせる言動と思考の持ち主だが、葬儀屋からは「失うのは世界の損失」と言われるほど面白い人間と評されている。 また、16巻にて、レドモンドの叔父である事が判明し、フランシスからは、余り気に入られていない模様。 アシスタントの1人が子爵を「こしゃく」と読み間違えたことから、原作者と制作メンバーからは「子爵(こしゃく)」と呼ばれている。 アーサー・ランドル(Arthur Randall) 声:中博史 / 青山穣 通称ランドル卿。ロンドン警視庁(スコットランドヤード)警視総監。容姿は第3話、名前は第15話で判明(フルネームはテレビアニメ版第1期第4話で判明)。 ヴィクトリア女王の命令には警察を総動員させ動いているが、大した成果を挙げられないことでシエルに皮肉られており、本人も彼を快く思っていない。また、警視総監として、事件の報酬である裏金を直接ファントムハイヴ家へ届ける役目も担っているため、よく屋敷に出入りしている。シエルを「悪魔」、ファントムハイヴ家を「悪霊の巣」と呼んでいる。 フレッド・アバーライン(Fred Abberline) 声:菅沼久義 ロンドン警視庁警部。ランドル卿の部下。成果を挙げられない上、ランドル卿に怒鳴られることが多いため、彼の短気さには辟易している。賄賂などの裏金を嫌う、正義感溢れる警察官である。シエルを何かと気にかけている。 絵画に詳しく、ランドルと共にファントムハイヴ邸を訪れた時は、数々の名画に感動していた。 テレビアニメ版 原作と異なる青年の警部補として登場。第1期第10話では、(本人曰く)普通の話で葬儀屋(アンダーテイカー)に爆笑され、「絶対に仕事を間違えている」「笑いなら世界を取れる」と断言された。結婚と子供の誕生を間近に控えていたが、第20話で劉の凶刃からシエルを庇い致命傷を負い、シエルに看取られながら息を引き取った。 ハロルド・ウエスト=ジェブ(Harold West Jeb) 声:下山吉光 輸入品を手広く扱っている輸入業者。シエルも一度面識があるが、彼曰く「肩書き主義でいけ好かない男」であり、何かにつけてブランドにこだわる。 主にインドから香辛料や紅茶葉を輸入しており、「ハロルド・トレーディング」という雑貨店や「ハロルド・ウエスト」というヒンドスターニー・コーヒーハウスを経営している。 アングロ=インディアン逆さ吊り事件の黒幕で、アグニを利用してカリーの品評会で王室御用達(ロイヤルワラント)を手に入れようとしたが、セバスチャンに敗れた上、劉と藍猫に成敗された。ソーマの元使用人であるミーナと結婚している。 ミーナ(Mina) 声: - / 後藤邑子 ベンガル藩王国宮廷の元侍女で、ソーマの乳母。ソーマ曰く「宮廷一の美女」。 ある時突如、ソーマの下を去る。ソーマにはウエストに無理やり連れ去られたと思われていたが、実はカーストのせいで一生変わらぬ身分階級と我侭なソーマの世話に嫌気が差し、自ら望んでウエストと結婚していた。カリー対決後、劉と藍猫に成敗される。 テレビアニメ版 カリー対決前にソーマと接触してアグニの想いを裏切るなど、原作以上に冷酷さが強調されている。カリー対決の際にはアンジェラの仕込んだ「魔のスパイス」によって暴走するが、セバスチャンによって鎮められた。 テレビアニメ版第1期のみに登場 ダミアーノ 声:銀河万丈 第1期1話に登場。インドにあるファントム社のぬいぐるみ縫製工場を任されていたイタリア人の男性。 従業員を確保するためと称してシエルに巨額の支援金を要求するが、実は彼らを全員クビにしており、工場などは全て売り払っていた。ファントムハイヴ家からの支援金で私腹を肥やそうと目論むが、シエルに見破られてセバスチャンに恐怖体験をさせられ、満身創痍で逃げ出した。 なお、来客を日本趣向でもてなすエピソード自体は原作第1話と同様であるが、その際の客はダミアーノではなくクラウスが登場している。 ヘンリー・バリモア(Henry Barrymore) 声:仲野裕 第1期7話、8話に登場。通称:ヘンリー卿。ハウンズワース村の支配者。当初、シエルをチワワ呼ばわりしていた。村の買収に「祟りがあるから」と断るが、シエルとセバスチャンにトリックを暴かれた。村人に追及され牢に入れられたが、プルートゥに噛み殺された。 ジェームズ(James) 声:川上貴史 第1期7話に登場。犬を飼育している、心優しい青年。「1人で飼って良いのは5匹まで」という村の掟を破り、6頭目をこっそり飼っていたため、殺されてしまった。 アンジェラ・ブラン(Angela Blanc) 声:矢島晶子 第1期7話から登場。バリモア家に仕えるメイド。ヘンリー卿に虐げられている一方、夜になると逆に彼を傅かせている。ヘンリー卿に内緒でプルートゥを餌付けし、飼っていた。 正体は不浄を嫌う天使で、多くの事件に関与している。後述のアッシュと同一人物であり、状況や気分に応じて肉体を変化できる(顔や身体を違う性別に変えることすら可能)。 シエルのシネマティックレコードを書き換えて浄化しようとするも、彼がそれを拒んだため、失敗に終わる。 名前のアンジェラはそのまま天使の意味で、ブランはフランス語で「白」の意味。 プルートゥ(Pluto) 声:山口孝史 第1期7話から登場。アンジェラに飼われていた巨大な魔犬。興奮すると、銀髪に小さな八重歯を持つ人間の青年の姿に変身する。炎を噴けるが、人間の姿でも言葉は話せず、習性や行動も犬と同じ。フィニからは「プルプル」と呼ばれている。 ヘンリー卿を噛み殺して彼の片腕を小丘に突き立てるが、セバスチャンに調教された後、アンジェラの頼みでファントムハイヴ家に引き取られた。セバスチャンの他、アンジェラやアッシュにもよく懐いている。 最終局面でアッシュに操られて暴走し、シエルの屋敷やロンドンの町を燃やしてしまう。もう以前のプルートゥには戻れないと判断したシエルの命令により、バルド、フィニ、メイリンに倒される。 ポール・ジョーンズ 声:川野剛稔 第1期9話に登場。ブリット・ビジネスの記者。ファントム社を取材しようと、ファントムハイヴ家を訪問する。 ポーラ 声:伊月ゆい 第1期10話から登場し、第2期にも引き続き登場。原作にも13巻から登場した。ミッドフォード家の侍女。シエルに仕えるセバスチャンのように、「イエス、マイレディ」と発言する。 リジーのお供として氷上マーケットに訪れた。気落ちしたリジーのため鈴を鳴らして元気付けようとしたり、シエルを思うリジーの気持ちを温かく見守ったりと、主人への想いは本物。 ドロセル・カインズ 声:勝杏里 第1期10話〜12話に登場。マンダレー邸の執事兼人形師。手回しのオルガンを持っている。『ロンドン橋落ちた』の替え歌や操り糸で、人形達を操る。「ボクは考えました」が口癖。 実はドロセル本人は既に5年前に他界しており、何者かに人形として偽りの生命を与えられていた。セバスチャンにコルセスカで頭を割られ、機能を停止する。 アッシュ・ランダース 声:日野聡 第1期15話から登場。テレビアニメ版でのヴィクトリア女王の執事で、第1期のラスボス的存在。靡くような銀髪を持つ長身の男性で、原作のジョンとは、容姿が全く違う。女王の代弁役兼護衛であり、腰には細剣を差している。女王から、ファントムハイヴ家宛ての命令を記した手紙を届ける役目を担っている。 正体は天使であり、アンジェラと同一人物。また、女王の身体と故アルバート公の身体を接いだ張本人でもある。天使であることも前提に、女王に深く信頼されている。人間を滅ぼして穢れの無い世界を創ろうとしたが、真の姿を現したセバスチャンに惨殺され、声にならない声を叫びながら無残に死亡。 エドワード(Edward) 声:斎賀みつき 第1期16話に登場。約400年前のイングランド国王。何者かによってリチャードと共にロンドン塔への幽閉を経て暗殺され、以後400年間城に霊魂として残り続けている。 城の所有権を得たシエル達と対面し、シエルを客人、セバスチャンを自らの執事としてもてなす。世の万物を自分の思い通りにできる能力を持つ。 殺害された当時、門番の裏切りによって命を落としたため、嘘を何よりも嫌う。 リチャード(Richard) 声:笹本優子 エドワードの弟。兄と同様に霊魂化し、城に残り続けている。常に持っている頭蓋骨を、片時も手放そうとしない。セバスチャンのことを気に入り、自分達の執事に迎え入れる。 マチルダ・シモンズ 声:高梁碧 第1期17話、18話に登場。ブレストンの外れにある、使われていない古い修道院へ集った異端の教団で働いている、若く美しい修道女の1人。 潜入してきたセバスチャンに一目惚れしてしまい、離れの小屋でセバスチャン曰く「マーキング」を施された後、惚けながら教団の情報を提供してしまう。グレルは「マーキング」を施されたマチルダのことを死亡者リストに書いてしまうほど気に食わなかった模様。 女王陛下 声:定岡小百合 第1期24話に登場。肉体が腐り果てたヴィクトリア女王の代行者として、大衆の前に姿を見せた。 テレビアニメ版第2期のみに登場 トランシー家 英国の裏社会で起きた厄介事を片付ける「女王の番犬」ことファントムハイヴ家に対して、トランシー家は英国で起きた厄介事の後始末を任されている「蜘蛛」と呼ばれる。アロイスが当主になってからは、屋敷にはアロイス以外には彼の契約した悪魔といった人外しかいない。 クロード・フォースタス(Claude Faustus) 声:櫻井孝宏 トランシー家の執事を務める、アロイスと契約した蜘蛛の悪魔。第2期のラスボス的存在。黒髪金瞳に眼鏡を着用する美青年。契約者・アロイスには「イエス、ユア・ハイネス」と絶対服従し、執務を完璧にこなす。アロイスの「願い」に従って、セバスチャンがアッシュとの戦いで契約印の刻まれた左腕を失った隙をつき、望みを果たし魂を差し出そうとしたシエルの魂を奪っていった。 常に冷静沈着で無感情な鉄面皮だが、仕事前のウォームアップにタップダンスを踊り出す等、挙動には若干外連味がある。セバスチャンとは互いに平静を装いつつも、皮肉混じりに仕事の不備を指摘し、執事の格を熾烈に競い合う等かなり険悪な仲。トランシー家に遣える悪魔達の指揮も任されており、戦闘時にはハンナの体内に収納している魔剣・レーヴァテインを武器にして戦う。 アロイスからはその忠誠心とアロイス自身を必要とする姿から厚く信頼されており、唯一の寄る辺として愛情を抱かれていたが、自身はあくまで喰らう魂の1つとしか認識しておらず、セバスチャンが単なる契約者としての関係以上に執着しているシエルに興味が移る。やがて執事に愛情を求めるアロイスを見限り、シエルを手に入れるための道具として利用しようと考え殺害、アロイスから抽出した魂を指輪に封じ込め、シエルを洗脳してアロイスの記憶と混濁させる事により、シエルに自身を主と思い込ませる事に成功するが、シエルからは執事業を完璧にこなせず奇行が過ぎる為毛嫌いされる。 最期は、シエルの魂を巡ってセバスチャンとの決闘の末、セバスチャンの手によってレーヴァテインで貫かれた事で死亡。最期にセバスチャンから利用していたはずのアロイスに悪魔である自分が翻弄されていた事を指摘され、アロイスを己の真の主として認め、執事としてこの世を去った。 アロイス・トランシー(Alois Trancy) 声:水樹奈々 トランシー伯爵家現当主を務める、金髪碧眼の美少年。1874年11月5日生まれ。通称:旦那様。生後間もなく何者かにさらわれ行方不明になったとされていたが、ある日クロードを連れて帰還し父の後を継ぎ当主になった。 性格は基本的に明るく、クロードには絶対の信頼を置くが、彼以外の者を見下したりハンナの左目を抉ったりする残忍性と、孤独や暗闇を恐れる脆さを併せ持つ。舌にはクロードとの契約の証である黄色の逆ペンタクルが刻まれている。 本名はジム・マッケン。トランシー伯爵の実子ではなく、一村の裕福な子供だった。両親の死後、弟・ルカと共に村人達から虐げられ彼らを憎む中、ルカと契約したハンナの手で村とルカを失い(村を失う事は本人の希望でもあった)、トランシー家の男娼として迎えられた際、トランシー伯爵を手玉に取って養子に収まった。その後クロードと契約し、契約者の「願い」による魂の熟成を狙うクロードから、弟を殺した相手がセバスチャンであると吹き込まれ、伯爵が死にトランシーの全てを相続した後、セバスチャンに復讐すべく彼が執着するシエルを奪い取ろうとする。 セバスチャンとクロードの密約によって、シエルから自身の復讐相手と誤解された事でシエルと決闘し敗北し致命傷を負う。最後は孤独を恐れるあまりクロードへの愛情を吐露するが、その姿に幻滅したクロードに殺され、シエルの魂を欲するクロードの策略によって魂を抽出されトランシー家当主の指輪に封じ込められ、その記憶をシエルと混濁させられた。 しかしハンナが殺害直後のアロイスの眼を体内に取り込んでおり、ハンナによってシエルの肉体の中で意識が覚醒しシエルの肉体を支配する。自らの意識によりトランシー邸の庭園に作り出した薔薇迷宮でシエルの魂を巡ってセバスチャンとクロードが争う間、ハンナによって全ての真実を知らされ、アロイスとルカを愛していると告げたハンナとの契約を承諾。シエルへの嫉妬心と自らを裏切ったクロードへの復讐心から、セバスチャンとクロードのどちらが勝ってもシエルの魂を手に入れられないよう「シエルを悪魔として蘇らせる」という内容でハンナと契約した。 死の島においてセバスチャンに敗北したクロードが死亡した後、ハンナに魂を差し出し、最後はルカ、クロード、ハンナと全員の愛を手に入れた。 ハンナ・アナフェローズ(Hannah Annafellows) 声:平野綾 トランシー家唯一のメイド。魔剣・レーヴァテインを体内に収納する「悪魔の剣を納める鞘」と呼ばれる悪魔。長い銀髪と褐色の肌を持つ物静かな美女で、常に憂いの表情を浮かべている。 第1話にて左目をアロイスに抉られ、彼と契約するまでは包帯を巻いていた。アロイスからは同じく悪魔であるクロードとは異なり、「何を考えているか分からない」と毛嫌いされ、虐げられている。 過去にアロイスの弟・ルカと契約してアロイスの村を滅ぼし、ルカの魂を契約により喰らった張本人。ルカのただ純真に兄を想い、魂を喰らった自分に感謝する姿に心打たれ、ルカと血を分けた兄弟であるアロイスを愛し彼の願いを叶えるべく三つ子の眷属と共にトランシー家に現れた。 グレルと戦い、腹を串刺しにされて無惨に敗北した。だが、悪魔であるため傷は治癒して直後にクロードによって殺害された直後のアロイスの眼を自らの体内に取り込み、クロードによって洗脳されたシエルの中のアロイスを覚醒させた。アロイス覚醒後、アロイスの眼は自らの左目に移植。薔薇迷宮で全ての真実を告白しルカとアロイスへの愛を告白し、アロイスと契約する。 死の島においてシエルの魂を巡ってセバスチャンとクロードを決闘させ、アロイスとの契約に従いシエルを悪魔に変えた後、アロイス、ルカの魂を内包したままクロードの亡骸の傍らで崩れゆく死の島と運命を共にする。 トンプソン(Thompson)/ティンバー(Timber)/カンタベリー(Cantebury) 声:鈴村健一(OVA) トランシー家の使用人である三つ子の悪魔。顔と服装はそっくり同じで、見分け方は前髪。 元々はハンナの眷属で、ハンナがトランシー家に遣えると共に使用人となった。そのためトランシー家では影響力の強いクロードにも従う。常に3人一緒に行動し、全員無口だが仕事・戦闘は卒なくこなす。最期はグレルのデスサイズで3人ともバラバラに切断され死亡。 3人とも毒舌のため、命令で普段は聞こえないほどの小声で話している。また、ハンナの頼みでトランシー家に仕えているだけで、本心ではトランシー家を「燃やしちゃうのにね」と言うほど嫌悪している。 トランシー伯爵 声:ふくまつ進紗 アロイスの父親で、トランシー家前当主。3年前に病死した。悪趣味な嗜好を持ち、屋敷の奇抜な内装だけではなく、大勢の少年を男娼として家に迎え、その身体を貪る変態として知られていた。 アーノルド・トランシー(Arnold Trancy) 声:星野充昭 トランシー伯爵の弟で、アロイスの叔父。金銭欲が強い模様。アロイスが本当にトランシー家の人間かどうか疑念を抱いている。 その他[編集] エドワード・アバーライン 声 - 菅沼久義 フレッド・アバーラインの双子の兄で、スコットランドヤードの警部。正義感は強いが、暑苦しい性格をしている。 マーガレット・ターナー 声 - 津田匠子 ロンドンの街並にある写真屋ターナーの妻だが、本心はターナーの事が好きではなく無理やり結婚させられたらしい。 金色の眼をした謎の人物[注釈 7]に唆されて、自分の幸せの為にカメラのフラッシュを利用して、ターナーをはじめとした人々を次々と焼殺。最期は自身の体が炎に包まれて焼死した。 ルカ・マッケン 声 - 井上麻里奈 アロイス(ジム)の弟。兄・ジムを心から慕い、彼の言いつけに「イエス、ユア・ハイネス」と答えるのが好きだった。 故郷の村を憎む兄の望みを叶える為、ハンナと村を滅ぼすよう契約し、代償として魂を食われ死ぬ。 それを知りながらも兄の望みが叶う事をただ純粋に喜び、魂を喰らう直前まで望みを果たしたハンナに感謝さえするその姿が、ハンナの心に大きな影響を与えた。 トマス・ウォリス 声 - 川野剛稔 OVA『死神ウィルの物語』に登場。グレルとウィリアムの死神最終試験の実技課題として、死に値するかの審査対象となった人間。1775年グリストル出身で、印刷工場で働きながら小説家を志望する青年。1799年12月16日午後4時に魂回収(死亡)予定。 トマスの書く小説は鳴かず飛ばず続きであったが、2人の死神が彼の前に現れたことにより「死神ウィルの物語」を執筆するきっかけとなるが、小説出版の締切日に馬車に撥ねられ死亡する。彼の魂回収の際にウィリアムは初めて死の足掻きを体験しグレルに助けられている。 ゲーム版のみに登場 ステラ・ローズ ローズ家の令嬢。 パトリック ローズ家の元執事。 ローマン・マクダウェル ローズ家の元家令。 ロレイン・マクダウェル ローマン・マクダウェルの娘。 エドワード・リドリー ステラの近親者。通称リドリー爵。
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メニュー -トップページ-対戦結果-猛者リスト-オレゴン杯-オレゴンメンバーズ-オレゴン史-オレゴンレポート 第35章くらい 奪還への序章 7月2日 とうとう待ちわびたアナウンスがきた。 第3回全国大会開催決定! この日をどれぐらいほど待ちわびたであろう。。。 第1回大会の栄光 第2回大会の屈辱 屈辱を晴らすべくこの日を待ちわびていたのだ。 第2回での屈辱の敗戦から オレゴンはこの日のためにファミスタをしてきたと言っても過言ではなかった。 2回大会での敗戦からいくつのものを学び 己の弱さを知り 罵声を浴び 嫌気がさしてきていた。 しかし やはり終われない このままでは終われない 終われる訳が無い。 自身を奮い立たせ 0から這い上がろうと決意を新たに決め 敗戦から徐々にではあるが復調の兆しを見せていった。 2度曲げ これはファミスタの伝統芸 クリーンではないが 反則でもない。 言ってしまえば 身内だけの大会での仲良しルール。 それにすら負けないのが 真の強さ 真のチャンプ それこそが、最強のファミスタマスターへの道。。。。 やるんだ やってやる やってやるんだ!!!! メニュー -トップページ-対戦結果-猛者リスト-オレゴン杯-オレゴンメンバーズ-オレゴン史-オレゴンレポート